個性的なオーバル型ケースで人気を博したラドーの「ダイヤスター」が「ダイヤスター オリジナル」として復刻。1962年発表の初代をオマージュした本作に採用されたのは、耐傷性に優れた素材「セラモス」だ。
Edited & Text by Kouki Doi (Chronos-Japan)
[クロノス日本版 2023年3月号掲載記事]
「永遠の輝きを持つ時計」ダイヤスターの60周年を祝う復刻モデル
アーカイブに残されたアイコニックな名作を再解釈し、現代の技術でよみがえらせているラドー。人気作の「キャプテン クック」やドレッシーな「ゴールデンホース」などは、輝かしい20世紀の記憶を思い起こさせるが、今回披露された「ダイヤスター」の新作もそのひとつだ。
ラドー専用のキャリバーR764は、3日以上のパワーリザーブを持つ実用機。精度に悪影響を与える磁気に強い、ニヴァクロン™製のヒゲゼンマイを採用する。自動巻き(Cal.R764)。25石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約80時間。SS×セラモス(直径38mm、厚さ12.3mm)。10気圧防水。各21万5600円(税込み)。
1962年に誕生し、2022年に60周年を迎えたダイヤスターは、〝マスター・オブ・マテリアル〞と称され、新素材の開発を得意とするラドーの、ブランドとしての方向性を確立したモデルである。初代ダイヤスターは特徴的なオーバル型ケースを持つ個性派で、その売り文句は「スクラッチ・プルーフ」。傷が付きにくい炭化タングステン合金であるハードメタルを時計業界で初めてケースに採用し、サファイアクリスタル製の風防と組み合わせることで、当時「永遠の輝きを持つ時計」として人気を博したのだ。
そんなダイヤスターの60年の節目を祝うのが、新生「ダイヤスター オリジナル」。個性派オーバルケースのデザインはそのままに、ほとんどの要素を新規で構成している。まず、ケースの大半を覆う特徴的なベゼルは「セラモス」製。傷に強いセラミックスとしての特性を持ちながら、炭化チタンを含む約10%の合金を混ぜることで、磨かれた金属のような光沢感を得ることに成功している。
また、ケース同様に本作を特徴付けるのはサファイアクリスタル製の風防。3時- 9時方向それぞれに3面ずつ角度をつけてカットされており、これが時計の表情を豊かにする。加えて3色が用意された文字盤もアーカイブに沿ったもので、十字に分けて2方向に筋目を入れたブラッシュ仕上げも魅力。6時位置のデイデイト表示とも相まって、デザイン性と実用性を絶妙なバランスでまとめ上げている。
https://www.webchronos.net/news/89946/
https://www.webchronos.net/features/83314/
https://www.webchronos.net/features/74100/