眩いばかりの鮮烈な輝きを放つ、イエローネオンケース。この発色を可能としたのは、人工衛星にも使用され、超高耐久性を誇る先進的な素材、SAXEMだ。新素材のリーダー、ウブロはまたも業界初を成し遂げた。
Edited by Kouki Doi (Chronos-Japan)
[クロノス日本版 2023年3月号掲載記事]
ウブロ「ビッグ・バン トゥールビヨン オートマティック イエローネオン SAXEM」
鮮やかなカラーサファイアクリスタルケースを得意とするウブロが、またひとつ快挙を成し遂げた。新作「ビッグ・バン トゥールビヨン オートマティック イエローネオン SAXEM」は、自ら眩い光を放っているようなネオンイエローカラーをまとったモデルだ。ウブロは今作に理想的な発色を与えるため、サファイアクリスタルではなく、より最先端の素材「SAXEM」をケースに用いた。
高い透明度を持つ素材SAXEMと、サファイアクリスタル製のダイアルの組み合わせは、まるでムーブメントが浮遊しているかのような錯覚をもたらす。自動巻き(Cal.HUB6035)。26石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。イエローネオンSAXEM(直径44mm)。30m防水。世界限定50本。2696万1000円(税込み)。
SAXEMとは、サファイアクリスタルの基本成分である酸化アルミニウムに、ツリウムやホルミウムなどの希土類元素とクロムを加えた素材だ。元は人工衛星技術分野で開発された素材であり、並外れた耐久性と形状安定性に加え、均一な色合いや濃度を保つという性質を持っている。長い研究の末に、この素材を時計ケースに仕立てる方法を開発し、さらにはイエローネオンという鮮やかな発色を実現することに成功した。
その透明度の高いケースは、サファイアクリスタル製のダイアルとともに、今作にもうひとつの魅力をもたらした。それが、まるでムーブメントが浮遊しているかのような神秘的なルックスだ。6時位置のフライングトゥールビヨンや12時位置のマイクロローター、そしてサファイアクリスタル製のブリッジなどの数々は、見る者を感嘆させることだろう。
SAXEMを世界で初めて時計に採用したのは、他でもなくウブロだ。当時の目的も今作と同じく、他の素材では成し得ない発色を実現することにあった。そのために高度な技術を要することは想像に難くないが、それ以上に重要なのが、理想を理想のままで終わらせまいとする確固たる信念だ。今度はどんな面白いことを仕掛けてくるのか、ウブロの挑戦は、いつも我々をワクワクさせてくれる。
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