【オメガ】ムーンウォッチで名を馳せるクロノグラフ、歴代モデルを紹介

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2023.04.07

マスター3部作のひとつ「スピードマスター」。オメガのアイコンとして知られる本コレクションは、初代から現行の第8世代までを展開している。この記事では、ムーンウォッチの称号を獲得するに至った歴史や、大きく分類して、初代から第8世代までの歴代モデルを紹介する。

スピードマスター


最高の達成、オメガのはじまり

1902年のオメガの工場

1902年のオメガの工場。

1848年、スイスにある小さな村、ラ・ショー・ド・フォンにてひとつの時計工房が誕生した。創業者は、当時23歳の時計職人ルイ・ブラン。彼の高品質な時計の評判は、すぐにヨーロッパ中へと広まったという。

ブランの精度の高い時計づくりへの情熱は、ふたりの実子に受け継がれた。小さな村の時計工房は「ルイ・ブラン&フィルズ」へと進化し、ビエンヌの街へと移転。ブシャン通りからヤコブ・スタンプフリ通り96番地へと移した本社は、現在もオメガ本社としてその場所にある。

そして1894年、ブラン兄弟は、新たに発表したムーブメントに“最高の達成”を意味する「オメガ」と名付けた。新キャリバーは、その高い精度と量産のしやすさにより時計業界を席巻。会社名も「オメガ」へと変更した。小さな村の小さな時計工房は、こうして今や知らない者はいない世界有数の時計ブランドへと成長したのだ。


スピードマスターの歴史

スピードマスターの歴代モデルを見る前に、スピードマスターが誕生した歴史や「ムーンウォッチ」の称号を得た経緯を見ていこう。

マスター3部作

シーマスター ダイバー 300M、レイルマスター コーアクシャル マスター クロノメーター 38MM

左から、現行の「シーマスター ダイバー 300M」と、1957年のレイルマスターを復刻した「レイルマスター コーアクシャル マスター クロノメーター 38MM」。シーマスターは1948年にブランド創業100周年を記念して誕生したモデル。一方で、レイルマスターは1000ガウスの耐磁性を有して商品化された初のモデルであった。

「マスター3部作」をご存じだろうか。マスター3部作は、1957年に創設されたオメガのプロフェッショナルラインでスピードマスター、シーマスター、レイルマスターの3コレクションで構成されている。現在、レイルマスターはシーマスターと統合されてしまったが、今でもそれぞれが伝説的な人気を誇りオメガを代表するコレクションである。

「ムーンウォッチ」の称号

1972年、アポロ17号の月面着陸のミッション。もちろんこの時も、スピードマスター ムーンウォッチが着用された。

スピードマスターは、ダイバーズウォッチとして圧倒的人気を誇る「シーマスター300」をベースにつくられた、いわゆる兄弟機だ。

当初、スピードマスターは“スピード”の名の通り、プロパイロットやプロドライバー、研究者やエンジニアなどを顧客として想定していたが、優れた堅牢性や視認性の高さが評価され1965年にNASAの公式装備品に選ばれた。その後、1969年に人類初となる月面着陸を果たしたことで「ムーンウォッチ」の称号を獲得したのだ。