セイコーが2023年に発表した新作を紹介する。なおここではセイコー プロスペックス、セイコー プレザージュ、キングセイコー、クレドール、セイコー ルキアに分け、セイコーブランドとしてまとめて掲載している。
プロスペックス 1965 メカニカルダイバーズ 現代デザイン Save the Ocean 限定モデル
セイコーが支援する水中考古学研究の世界観とセイコーダイバーズのヘリテージを融合させた「プロスペックス 1965 メカニカルダイバーズ 現代デザイン Save the Ocean 限定モデル」が発表された。
自動巻き(Cal.8L35)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約50時間。SS(直径41.3mm、厚さ13.1mm)。200m防水。世界限定1300本。38万5000円(税込み)。
セイコーは、セイコーダイバーズを愛用するダイバーズや、大いなる海への感謝を込め、Save the Ocean活動のもと、様々な海洋保護活動を支援してきた。その活動の一環として、ギリシャ・フルニ島における水中考古学研究を支援してきた経緯がある。水中考古学は、水中に眠る遺跡や沈没船を研究対象とする考古学研究であり、歴史探求と水中文化遺産の保護を目的とした学問である。
本作はその世界観を取り込んだモデルで、「62MAS」と呼ばれる初代ダイバーズウォッチの現代デザインをベースに、海中を思わせるブルーをテーマカラーとする。また、ダイアルにモチーフとして、古代より航海に使用されてきた天体観測器「アストロラーベ」を取り入れている。ムーブメントは、雫石高級時計工房で製造されるCal.8L35を採用する。
プロスペックス 1968 メカニカルダイバーズ 現代デザイン GMT
セイコーのダイバーズウォッチとしては初となる24時間表示針付きモデル「プロスペックス 1968 メカニカルダイバーズ 現代デザイン GMT」として定番モデル2種、限定モデル1種が発表された。
自動巻き(Cal.6R54)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SS(直径42.0mm、厚さ12.9mm)。200m防水。20万9000円(税込み)。
デザインのベースとなるのは、1968年発表の10振動ハイビートムーブメントを搭載してワンピース構造ケースによる300m防水を実現したダイバーズウォッチを現代デザインモデルとなる。オリジナルモデルの特徴を引き継ぎ、太くエッジの立ったラグや4時位置のリュウズ、視認性の高い時分針やインデックスを本作も備える。これらのデザインコードを守りつつ、本作ではイエローの24時間表示針が追加されている。
新たに用意されたムーブメントはキャリバー6R54であり、24時間表示機能を備えながら約72時間のロングパワーリザーブを備える。特徴は、24時間表示針の単独調整で、時分針によるホームタイムはそのままに、24時間表示針を第2時間帯表示として利用し、これを容易に変更可能である。定番モデルのカラーバリエーションは、グリーンとブラックが用意される。
自動巻き(Cal.6R54)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SS(直径42.0mm、厚さ12.9mm)。200m防水。23万1000円(税込み)。世界限定4000本。6月9日発売予定。
また、限定モデルは、セイコー腕時計110周年記念モデルとしてSave the Oceanシリーズである。海洋保護を支援するプロスペックスの想いを象徴するものである。セイコーダイバーズの信頼を築いた極地に広がる壮大な氷河をテーマに、グレーカラーのセラミック製ベゼルと、立体的な型打ち模様を施したアイスブルーカラーのダイアルが組み合わされる。
さらに本作には、ペットボトル再生原料を100%用い、製紐(せいちゅう)と呼ばれる日本の伝統技術に基づく技法で編み込まれたファブリックストラップも付属する。これには、複数色の糸が組み合わされ、アイスブルーにホワイトの規則的な織柄が楽しめる。
プロスペックス 1970 メカニカルダイバーズ 現代デザイン 植村直己 限定モデル SBDX057
世界的冒険家である植村直己の偉業をたたえる限定モデル「プロスペックス 1970 メカニカルダイバーズ 現代デザイン 植村直己 限定モデル」SBDX057が発表された。
自動巻き(Cal.8L35)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約50時間。SS(直径44mm、厚さ13mm)。200m防水。世界限定500本。35万2000円(税込み)。2023年5月12日発売予定。
世界初の五大陸最高峰登頂者であり、世界初の単独北極点到達を成し遂げた植村直己は、犬ぞりによる北極点到達への挑戦時に1970年発売のメカニカルダイバーズウォッチを携行していたことで知られる。その植村直己が着用したダイバーズウォッチの現代デザインモデルをベースに、世界初の五大陸最高峰登頂の偉業を称えるのが本作である。
4時位置のリュウズとケースサイドからラグにかけて一体化したデザインのリュウズガードの特徴を引き継ぐ外観を備える。ダイアルには五大陸最高峰登頂の第一歩となった、ヨーロッパ最高峰のモンブラン登頂を称えるデザインが採用され、植村の登頂ルートから見た角度のモンブランの勇壮な眺望をエッチングしている。また、ベゼルとリュウズはブルーとし、雄大なサンレイを包み込む青い影をイメージしている。
なお搭載ムーブメントは、雫石高級腕時計工房で製造するキャリバー8L35となる。
クレドール アートピースコレクション 螺鈿ダイアル 限定モデル
「流星螺鈿」をテーマとした漆塗りダイアルに螺鈿細工を施した「クレドール アートピースコレクション 螺鈿ダイアル 限定モデル」が発表された。
手巻き(Cal.6890)。22石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約37時間。SS(直径37.0m、厚さ6.5mm)。日常生活用防水。世界限定60本。165万円(税込み)。
本作のダイアルは、漆芸家の田村一舟により仕上げられたもので、「流星螺鈿」をテーマに漆黒の夜空に無数の星が流れる情景をダイアルに描写している。無数の星が放射状に流れる流星群を、螺鈿の貝特有のさまざまな色の輝きによって表現している。使用している貝の幅はわずか0.2mmであり、それらを緻密にダイアルに配している。
伝統的な技法が用いられながら、全体のデザインはコンテンポラリーにまとめられている。時計仕上がり厚さは6.5mmと薄型モデルであり、小ぶりなリュウズによってドレッシーな印象が強められている。
薄型を実現しているのは手巻きのキャリバー6890の採用による。その厚さ1.98mmと薄型であり、開発に際しては国産最高級ドレスウォッチのために性能のみならず工芸的な価値や美しさが追求されたものである。