オーデマ ピゲが2023年に発表した新作をまとめて紹介。「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」の充実ぶりが目立つが、その中でも特に「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ ウルトラ コンプリケーション ユニヴェルセル RD#4」は飛び抜けた存在だ。23の複雑機構を含む計40の機能を搭載しながら、実用可能なサイズにまとめられた、最高峰のハイコンプリケーションウォッチである。
CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ ウルトラ コンプリケーション ユニヴェルセル RD#4
23の複雑機能を含む40の機能を搭載しながら、人間工学と現代的な実用性が考慮された「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ ウルトラ コンプリケーション ユニヴェルセル RD#4」。
RDと名付けられた一連の作品は、2015年にスーパーソヌリのRD#1、18年のウルトラ シン パーペチュアルカレンダーのRD#2、22年にロイヤル オーク フライング トゥールビヨン エクストラ シンのRD#3があり、本作はその4作目である。
自動巻き(Cal.1000)。90石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約64時間。18KWGケース(直径42mm、厚さ15.55mm)。2気圧防水。価格要問い合わせ。
本作が搭載するCal.1000は、グランドソヌリ、スーパーソヌリ、ミニッツリピーター、パーペチュアルカレンダー、スピリットセコンド フライバック クロノグラフ、フライング トゥールビヨンなど、23の複雑機能を含む40の機能を搭載する。
これらの多くの機能を備えながら、操作系は3時方向の3つのリュウズと、9時方向のプッシュボタンのみとし、専用工具を必要としない操作性を実現している。
表示部は、スプリットセコンドを備えたセンタークロノグラフ秒針、時分針、2時位置の月表示と12時間積算計、4時位置の年表示、6時位置のトゥールビヨン、7時位置のムーンフェイズ、10時位置の曜日表示と30分積算計、12時位置のビッグデイトと多様な表示を備えつつ、直径42mmのケースにバランスよく納められ、CODE 11.59のデザインコードを維持している。
CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック&クロノグラフ
自動巻き(Cal.4302)。32石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径41mm、厚さ10.7mm)。3気圧防水。313万5000円(税込み)。
「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」初となるステンレススティール製モデルとして、3針モデルとクロノグラフモデルがラインナップされた。双方にブルー、グリーン、スモークベージュのダイアルカラーが用意され、計6モデルの展開となる。
特にブルーは「ナイトブルー、クラウド50」と呼ばれるオーデマ ピゲの中でアイコニックなカラーである。ケース素材を置き換えただけでなく、凹凸を持って広がる新たな同心円パターンのダイアルに、バーインデックス、1/4秒単位の目盛りが組み合わされた。これらにより従来モデルのエレガントさとは異なる、精悍なツールウォッチの趣が生み出されている。
ムーブメントは、3針モデルがCal.4302、クロノグラフモデルはフライバック機能付きのCal.4401と、共に新世代のムーブメントであり、モダンな外観と高い信頼性を備える。特にCal.4401は、クロノグラフのスタート/ストップ時の針ぶれを防止する垂直輪列システムを備えるなど、視認性の向上も図られている。
自動巻き(Cal.4401)。40石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径41mm、厚さ12.6mm)。3気圧防水。434万5000円(税込み)。
CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ グランドソヌリ カリヨン スーパーソヌリ
手巻き(Cal.2956)。53石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約48時間。ブラックセラミック×18KWGケース(直径41mm、厚さ13.5mm)。2気圧防水。価格要問い合わせ。
手巻きムーブメントCal.2956の機構部品と優れた仕上げをダイアルデザインとして取り込んだ「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ グランドソヌリ カリヨン スーパーソヌリ」が発表された。
Cal.2956は、伝統的なグランドソヌリ カリヨン コンプリケーションに、2015年発表の「ロイヤル オーク コンセプト コレクション」に用いられたスーパーソヌリ テクノロジーが注ぎ込まれている。
手巻き(Cal.2956)。53石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約48時間。ブラックセラミック×18KPGケース(直径41mm、厚さ13.5mm)。2気圧防水。価格要問い合わせ。
グランドソヌリは伝統的なミニッツリピーターのように、時、クォーター、分をオンコマンドで鳴らすだけではなく、時計塔のように常に時とクォーターを鳴らすことができる。さらに本作では、セレクターにより時とクォーター(グランドソヌリ)、時のみ(スモールソヌリ)、サイレントモードを選択可能である。
さらに、通常のふたつではなく3つのゴングによるカリヨンを備え、クォーターを高音、中音、低音で鳴らし分ける。
手巻き(Cal.2956)。53石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約48時間。ブラックセラミック×18KYGケース(直径41mm、厚さ13.5mm)。2気圧防水。価格要問い合わせ。
また本作では、ゴングは音響板として働く部品に取り付けられている。これは、その音質および音量も優れたものとすべく、音響的に有利な懐中時計のソヌリの音色や、楽器のハーモニーを参考にした研究開発成果による。
CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ ミニッツリピーター スーパーソヌリ
手巻き(Cal.2953)。32石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。ブラックセラミック×18KPGケース(直径41mm、厚さ13.6mm)。2気圧防水。価格要問い合わせ。
スモークサファイアクリスタルのダイアル越しにムーブメントを鑑賞可能なミニッツリピーター「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ ミニッツリピーター スーパーソヌリ」が発表された。搭載される手巻きCal.2953は、2016年に「ロイヤル オーク コンセプト RD#1」で初めて導入されたスーパーソヌリテクノロジーを搭載している。
防水性能の乏しかった懐中時計は音響の観点では有利で、かつてのミニッツリピーターの音質は優れたものが多かった。しかし、防水性が求められるにつれて音量や音の透明性が失われていった。本作は懐中時計のミニッツリピーターが奏でた優れた音色を実現すべく開発された。その特徴は、ゴングは音響板として働く部品に取り付けられている点である。
また、新たに設計された打音レギュレーターは柔軟なアンカーシステムにより不要なノイズが取り除かれている。さらに、打刻機能が作動している間は、時刻表示を変更できないよう、セキュリティ機能を搭載している。ムーブメントデザインは、昨今のオーデマ ピゲの現代的な外観と異なり、かつての懐中時計を思わせる分割されたブリッジや戻り角のある仕上げが見られる点が特徴である。
CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ フライング トゥールビヨン
スモークグリーンのエナメル アヴェンチュリン ダイアルで、6時位置にフライング トゥールビヨンを備えた「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ フライング トゥールビヨン」が発表された。
自動巻き(Cal.2950)。27石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約65時間。セラミック×18KPGケース(直径41mm、厚さ11.8mm)。3気圧防水。価格要問い合わせ。
本作のダイアルは、ゴールドのダイヤルベースの上に、エナメルに細かく粉砕したアヴェンチュリンガラスパウダーを混ぜて塗布した上に、ガラスパウダーを載せて焼成することを繰り返すことで作られる。その効果により、本作の深みのある質感が生み出されている。
このダイアルを包むのがCODE 11.59の特徴的なケース構造で、オクタゴナル形状のブラックセラミックス製ケースに、18KPGのベゼル、ラグが組み合わされている。
搭載される自動巻きCal.2950は、6時位置にピンクゴールドカラーのテンプを組み込んだフライング トゥールビヨンと、センターローターを備えている。