パルミジャーニ・フルリエが2023年に発表した新作をまとめて紹介する。大ヒットコレクションである「トンダ PF GMT ラトラパンテ」からは新たに18KRGモデルが登場した。
トンダ PF GMT ラトラパンテ
自動巻き(Cal.PF051)。31石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約48時間。18KRGケース(直径40mm、厚さ10.7mm)。60m防水。939万4000円(税込み)。
昨年発表され話題を呼んだ「トンダ PF GMT ラトラパンテ」に、18Kローズゴールドケースモデルが追加された。ミラノブルーのダイアルには、麦の穂をモチーフとしたバーリーコーンパターンのギヨシェ装飾が施されている。時分針は18Kローズゴールド製、デュアルタイム用の時針は、ロジウム仕上げのゴールド製である。
通常、2本の時針は重なり合っている。第2時間帯表示が必要になったら、7時位置のプッシャーを押下し、1時間単位でロジウム仕上げの時針をジャンプさせることができる。第2時間帯表示が不要になったら、リュウズに組み込まれたプッシャーを押下するだけだ。一瞬でふたつの時針は重なり、2針のシンプルウォッチとして使うことができる。
搭載するムーブメントは、マイクロローター式の自動巻きであり、複雑機構を有しながらも薄型に仕上がっている。ケース自体の厚さも10.9mmに抑えられている。
トンダ PF スプリットセコンドクロノグラフ
手巻き(Cal.PF361)。35石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約65時間。18KRGケース(直径42mm、厚さ15mm)。100m防水。世界限定30本。2426万6000円(税込み)。
スプリットセコンド機構を搭載した、手巻き式クロノグラフ。ポリッシュとサテンで仕上げ分けた18Kローズゴールド製ケースと、サンドブラスト仕上げのホワイトダイアルを組み合わせている。
ダイアル上には、スモールセコンド、30分積算計、12時間積算計の3つのインダイアルが配されており、ダイアル外周にはタキメーターがプリントされている。センターのクロノグラフ秒針は、ステンレススティールにロジウム加工を施したものとローズゴールドプレートを施したものの2本であり、これらを用いて異なるふたつのタイムを計測することができる。
本作に搭載されるムーブメントは、約65時間のパワーリザーブを備えたCal.PF361である。サテン仕上げを主体としているため、丁寧に施された面取りが、受けに施された複雑なオープンワークの輪郭を浮かび上がらせる。クロノグラフの動きを制御するレバー類に加え、スプリットセコンドクロノグラフ特有のふたつのコラムホイールなど、見応えの詰まったムーブメントだ。
トンダ PF フライングトゥールビヨン
自動巻き(Cal.PF517)。29石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約48時間。Ptケース(直径42mm、厚さ8.6mm)。100m防水。2348万5000円(税込み)。
「トンダ PF フライングトゥールビヨン」に追加された、プラチナケースモデル。そのダイアルは、サンドブラスト仕上げを与えられ、ミラノブルーに彩られている。
トゥールビヨンは、ダイアルの7時位置に配されている。これは、同社の創業者であるミシェル・パルミジャーニが生まれた、午前7時8分に由来するものである。
シースルーバックからは、バーリーコーンパターンのギヨシェ装飾が施された、プラチナ製マイクロローターを備える自社製自動巻きムーブメントを鑑賞することができる。面取りやサーキュラーグレイン、コート・ド・ジュネーブなど、卓抜した仕上げが施されている。ムーブメントの厚みは、トゥールビヨン機構を搭載していながらもわずか3.4mmであり、ケースの厚さも8.6mmに抑えられている。
トンダ PF マイクロローター
自動巻き(Cal.PF703)。29石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約48時間。Ptケース(直径40mm、厚さ7.8mm)。100m防水。1331万円(税込み)。
2021年9月に登場した、パルミジャーニ・フルリエを象徴する「トンダ PF マイクロローター」。そのバリエーションとして、プラチナ製ケースモデルが追加された。
希少性、耐久性、耐変色性、耐食性、生体適合性など、多くの特性を持つプラチナは、同社が好んで使用する素材のひとつだ。本作では、ミドルケースだけではなく、ベゼルやブレスレット、ダイアル、マイクロローターに至るまで、プラチナを採用している。
ミニマルなダイアルには、12個の小ぶりなインデックスとスケルトンの時分針、6時位置のデイト表示、そして12時位置のロゴのみが配されている。その表面は、サンドブラスト仕上げが施されることで光の反射を抑えている。アプライドインデックスと時分針は、ロジウム加工の8Kゴールド製だ。
厚さわずか3mmのマイクロローター式自動巻きムーブメント、Cal.PF703を搭載する。ねじ込み式リュウズによって100m防水を確保しており、デイリーユースにも向いたモデルだ。
トンダ PF ミニッツ ラトラパンテ
自動巻き(Cal.PF051)。35石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約48時間。SS×Ptケース(直径40mm、厚さ10.7mm)。60m防水。438万9000円(税込み)。
2022年に発表された「トンダ PF GMT ラトラパンテ」に続く、世界初の複雑機構を搭載した「トンダ PF ミニッツ ラトラパンテ」。
本作にはロジウム加工を施したゴールド製と18Kローズゴールド製の2本の分針が与えられており、それらは通常、ロジウム加工を施した針が上になるようにして重なり合っている。ケースの8時位置と10時位置にはプッシャーが配されており、8時位置を押すと、18Kローズゴールド製の分針が5分、10時位置では1分進み固定される。これによって、ふたつの分針が再度重なるまでの時間を計測することができるのだ。3時位置のリュウズトップのプッシャーを押下することで、針は元の位置にリセットされる。
この機能は、ダイバーズウォッチに見られる回転ベゼルに近い。8時または10時位置のプッシャーの押下が、ベゼルを回転させる操作に等しく、18Kローズゴールド製の針は、ベゼル上のスケールの役割を果たす。本作はダイバーズウォッチではないが、日常生活の中の様々なシーンで直感的に時間を計測することができるのだ。
プラチナ製カルチュラルカレンダー トリロジー
グレゴリオ暦、ヒジュラ歴、中国歴を表示する3本の時計をセットにしたボックスが、限定3セットで発表された。
そのうちの1本である「トンダ PF アニュアルカレンダー」は、グレゴリオ暦を表示する。グレゴリオ暦とは、1582年にローマ教皇グレゴリウス13世が制定した太陽暦である。それまで使用されていたユリウス暦で生じるズレを排除するために考案されたグレゴリオ暦は、現在でも多くの人々の生活の基準となっている。
自動巻き(Cal.PF339)。32石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約50時間。Ptケース(直径42mm、厚さ11.1mm)。100m防水。世界限定3本。50万CHF(ボックスセット)。
ダイアル上には月、曜日がインダイアルに指針式で表示され、6時位置には南北両半球のムーンフェイズが配されている。日付は8時位置から4時位置にかけて、ダイアルの上側をかけてレトログラードで表されるため、日付の針がムーンフェイズ表示を邪魔することが無い。
「トンダ PF ヒジュラ パーペチュアルカレンダー」は、月の周期に基づいたイスラム太陰暦を表示する。各表示はアラビア文字で表され、12時位置には、30年の周期を表すインダイアルが配されている。
自動巻き(Cal.PF009)。32石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約48時間。Ptケース(直径42mm、厚さ11.2mm)。100m防水。世界限定3本。50万CHF(ボックスセット)。
「トンダ PF シィアリー パーペチュアルカレンダー」は、太陽暦と太陰暦を別々に計算し、それを同期させる複雑な中国歴表示を備えている。日、曜日、月の暦が天体観測に基づく計算によって変動するため、中国歴を機械式時計として完全に再現をすることは不可能とされているが、本作では可能な限り忠実に再現している。
そのダイアルには、時、分、月の表示とその番号、3年ごとに発生する追加月、月の大小、二十四節気、年号、十二支の動物、五行説の元素、日数、ムーンフェイズなど、非常に多岐にわたる情報が表示されている。
自動巻き(Cal.PF008)。42石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約54時間。Ptケース(直径42mm、厚さ12.2mm)。100m防水。世界限定3本。50万CHF(ボックスセット)。
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