ゼニスが2023年に発表した新作時計をまとめて紹介。最大のトピックスはパイロットウォッチの刷新だ。3針の「パイロット オートマティック」とフライバッククロノグラフ搭載の「パイロット ビッグデイト フライバック」がそれぞれSSケースとブラックセラミックケースで登場した。
パイロット オートマティック&パイロット ビッグデイト フライバック
自動巻き(Cal.El Primero 3620)。27石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径40mm)。10気圧防水。
ゼニスのパイロットウォッチの歴史を引き継ぐ新世代の「パイロット オートマティック」と「パイロット ビッグデイト フライバック」が発表された。共に、ゼニスのアイコンである3万6000振動/時のエル・プリメロを搭載し、視認性の高いアラビアインデックスにダイヤ針を採用したデザインコードを備える。
ゼニスは航空機の可能性をいち早く感じ取り、パイロットを意味する商標として、1888年にフランス語の「Pilote」、1904年に英語の「Pilot」を取得した歴史を持つ。その後、1909年に航空機での英仏海峡横断を成功させたルイ・ブレリオがゼニスの時計を携行するなど、パイロットウォッチブランドとして長きにわたり支持されてきた。
自動巻き(Cal.El Primero 3620)。27石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径40mm)。10気圧防水。
今回発表された2作は、初期の飛行士時計やダッシュボード計器のテイストを取り込みながら、現代的な文脈で再解釈されたデザインを備える。共にふたつのバリエーションが用意され、ブラックモデルはマイクロブラスト仕上げのセラミックケースを備え、もうひとつはステンレススティールモデルである。
ケースデザインは新規に起こされたもので、固定されたフラット トップ ラウンド型のベゼルが特徴である。パイロットウォッチの特徴である大型リュウズは、よりモダンな角張ったフォルムとなったが、手袋の着用時でも操作しやすい伝統を守っている。
自動巻き(Cal.El Primero 3652)。35石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約60時間。ブラックセラミックケース(直径42.5mm)。10気圧防水。
「パイロット オートマティック」は3針モデルで6時位置にデイト表示を備える。「パイロット ビッグデイト フライバック」は、エル・プリメロ3652を搭載するモデルで、特徴的なビッグデイトは動き始めから0.03秒以内に表示が安定する視認性の高さを備える。また、連続して経過時間を測定できるフライバック機能を備える。
自動巻き(Cal.El Primero 3652)。35石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径42.5mm)。10気圧防水。
デファイ リバイバル シャドウ
「デファイ リバイバル A3642」をモノトーンに仕立てた「デファイ リバイバル シャドウ」が発表された。ベースは1969年発表のデファイのファーストモデル A3642を復刻したもので、ゼニスのヘリテージと現代的なアプローチが融合したモデルに仕上がっている。
自動巻き(Cal.Elite670)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約50時間。Tiケース(直径37mm)30気圧防水。95万1500円(税込み)。
オリジナルのA3642の特徴は角張ったスティール製ケースで、それが今日まで受け継がれてきた。本作はそのシルエットはそのままに、ケースをチタン製としている。全体はマイクロブラスト加工でマット仕上げとなる。
組み合わされる「ラダーブレスレット」は、69年に当時のゲイフレアー社がゼニスのために考案したデザインで、中駒部分に空間があるハシゴ状の構造が特徴である。ブレスレットおよびバックルもチタン製で軽量に仕上げられている。
従来のデファイでは鮮やかなダイアルカラーと印象的なグラデーションが特徴であったが、本作ではマットブラックのモノトーンにまとめられ、クリーム色のスーパールミノバを塗布した針と、ポリッシュ仕上げのインデックスとコントラストが高い。