今回は、セイコーのGMT機能を搭載した腕時計を紹介する。セイコーのブランドのなかで、GMT機能を備えたモデルを展開する2ブランドから、7つのモデルを集めた。GMT機能と代表的なモデルを合わせて解説する。
GMT機能を知る
GMT機能とは、ふたつ、もしくは3つのタイムゾーンを表示できる機能だ。本来の時刻とは別に、別の国の時刻をサブダイアル等で表示できる。たとえば、メインダイアルで日本時間を、サブダイアルで旅行先や家族が住む国の現地時刻を表示できるのだ。
普段の生活で海外の時刻を気にする人は多くはないだろうが、職業によってはGMT機能が欠かせない人もいる。
フランク ミュラーの「マスターバンカー」の誕生が良い例だ。1996年に登場したマスターバンカーは、フランク・ミュラーが銀行家の友人に「世界の金融市場の時刻を瞬時に見られる時計が欲しい」と、頼まれたことがきっかけであった。
また、1955年に発売された世界初となるGMT機能搭載腕時計、ロレックスの「オイスター パーペチュアル GMTマスター」もパンアメリカン航空から依頼を受けての誕生だった。金融業界や航空業界に携わる者にとっては、複数の時刻を表示できるGMT機能はなくてはならないものであり、非常に実用性に優れた機能といえる。
ここからは、GMT機能を搭載したセイコーのブランドならびにモデルを紹介する。現在GMT機能モデルを展開しているコレクションは「プロスペックス」「プレザージュ」「5スポーツ」の3ブランド。今回はセイコーが展開する2つのブランドから7モデルを厳選した。
セイコー プロスペックス ダイバースキューバ
Prospex（プロスペックス）はダイビングやトレッキングなど、スポーツ、アウトドアシーンに対応する本格機能を備えたブランドだ。
その中のダイバースキューバは、ダイバーズウォッチが揃うコレクション。200m潜水用防水を備え、スキューバなどボンベを使用した潜水にも対応できるほどの防水性能が特徴である。
SBEJ009
自動巻き（Cal.6R54）。24石。2万1600振動／時。パワーリザーブ約72時間。SSケース（直径42mm、厚さ12.9mm）。200m防水。セイコーグローバルブランドコアショップ専用モデル。20万9000円（税込み）。
SBEJ009は、2023年6月9日に発売予定の新作。1968年に登場した「セカンドダイバー」をベースに、セラミックス製の回転ベゼル、GMT針、24時間表示付きダイアル、逆回転防止ベゼル、新たに開発したブレスレットなど、機能性・デザインを現代にアップデートしたモデルだ。
SBEJ013
自動巻き（Cal.6R54）。24石。2万1600振動／時。パワーリザーブ約72時間。SSケース（直径42mm、厚さ12.9mm）。200m防水。世界限定4000本（うち国内700本）。23万1000円（税込み）。
SBEJ013は、レギュラーモデルのSBEJ009とSBEJ011に加え、セイコー腕時計110周年を記念した限定モデルとして発表された。
世界限定4000本、うち日本国内では700本が販売予定とされている。トレンドのアイスブルー文字盤には立体的な模様が施され、グレーを用いたセラミックベゼルとともに氷河を表現している。ペットボトル再生原料を100％用いた氷河を想起させる織柄の専用ファブリックストラップも付属されている。
SBPK003、SBPK005
ソーラークォーツ（Cal.5K65）。3石。フル充電時約9カ月。SSケース（直径45mm、厚さ13.2mm）。200m防水。8万9100円（税込み）。
2023年2月に発売された、セイコー初のソーラーGMT機能を搭載したダイバーズウォッチ。新開発のソーラークォーツキャリバー「5K65」は、フル充電時には約9カ月のパワーリザーブを実現。
こちらのコレクションは、3カラーのバリエーションがあり、おすすめは、普段使いもしやすいブラックの文字盤とベゼルのSBPK003、ブルー文字盤にベゼルがレッド×ブルーの視認性に優れたSBPK005だ。
