これから腕時計を購入しようと思っている女性には、日常や特別なシーンの相棒になってくれるような“一生ものの腕時計”をおすすめしたい。年齢を重ねても、いつまでも着用できるレディース腕時計の選び方や、おすすめのモデルを紹介する。
“一生ものの腕時計”を選ぶポイント
優れた品質と長く使えるデザインを兼ね備えた腕時計こそ、一生ものであるといえる。まずは品質を重視するブランドを選び、年齢を重ねて永く使えるデザインの腕時計を探してみよう。
ポイント①品質を重視するブランドか
一生ものの腕時計を選ぶ際は、まず品質にこだわっているブランドを選ぶことが重要だ。高級時計ブランドに分類される製品なら、メンテナンス体制も含めて品質面で大きな信頼を置ける。
高級時計が高級たる理由のひとつに、高品質な素材を用いていることが挙げられる。目に見えるケースやベゼル、ブレスレットなどの部分だけでなく、内側に隠れたパーツにも品質の良い高級素材を使用しているのだ。
他の追随を許さない独自の卓越した技術で時計を製造している点も、高級時計の品質を保証している大きな要素であることに他ならない。由緒ある歴史に裏打ちされた製造技術は、低価格帯商品のそれとは別次元の世界だ。
ポイント②年齢を重ねても使えるデザインか
デザインも、一生ものの腕時計には大切な要素だ。時代に左右されない、いくつになってもその女性にふさわしいデザインがおすすめだ。
派手すぎるデザインの時計は、年齢を重ねていくうちにその時代とマッチしなくなる可能性もなきにしもあらず。一方で、シンプルでベーシックなデザインは普遍的な魅力を有すると言える。
着ける女性の現在、そしてこれからのライフステージに寄り添うデザイン選びに注力したい。
一生ものにもおすすめ。レディース腕時計の代表的なブランド
カルティエ、ショパール、エルメスといった高級ブランドは、一生もののレディース腕時計を見つける近道のひとつだ。各ブランドの特徴や魅力に迫る。
フランスの名門ジュエラー&ウォッチメーカー「カルティエ」
世界屈指のジュエラーとして君臨するカルティエは、1847年に誕生したフランスの老舗ブランド。ジュエリーのみならず、高品質の時計を製造する時計ブランドとしての認知度もきわめて高い。
優れた金属加工技術は、ジュエラーとして培ってきたカルティエの真骨頂である。また、独自ムーブメントもラインナップしており、マニュファクチュールとしての歩みも鋭意進めている。
航空黎明期に製作した時計にオマージュを捧げる「サントス ドゥ カルティエ」や、「タンク」、「パシャ ドゥ カルティエ」など、腕時計の歴史にその名を残すコレクションを世に送り出してきたことも特筆すべき点だ。
ダイヤモンドを贅沢に使用した「ショパール」
ショパールは時計メーカーとジュエラーという、ふたつの顔を持つブランドだ。1860年に時計メーカーとしてスイスに誕生。その後1963年にカール・ショイフレ3世(現ショパール会長)が事業を受け継いだことをきっかけに、ジュエリー業界へ参入した歴史を持つ。
ショパールを象徴する意匠が“ムービングダイヤモンド”だ。文字盤の周囲をダイヤモンドが流れるように動く技術は、ラグジュアリーウォッチ業界に衝撃と技術革命をもたらした。
メゾンの代表的コレクション「ハッピーダイヤモンド」や、「ハッピースポーツ」を選べば、ダイヤモンドの軽やかな動きを手元で堪能できる。なお、ペアで着用したい場合は、「アルパイン イーグル」がおすすめだ。
洗練された美しさの「エルメス」
@ GUY LUCAS DE PESLOUAN
フランスの老舗メゾンであるエルメスは、1837年に馬具工房としてスタートした。ブランドのロゴマークには、主人不在の四輪馬車と従者が描かれている。
エルメス時計のストラップには、最高品質の革素材が使われている。独特の色味と質感が、他のブランドでは味わえない魅力を、エルメスは腕時計に与えているのだ。
代表コレクションには、スクエア型のケースが印象的な「カレH」や、馬具の鐙(あぶみ)から着想を得て作られた「アルソー」などがある。
一生もののレディース腕時計として、おすすめモデル
女性が一生使える腕時計としておすすめのモデルを、紹介した3ブランドはもちろん、男女問わず人気の時計ブランドを含め、合計7本をピックアップ。一生ものの腕時計選びの参考にしてみよう。
カルティエ「サントス ドゥ カルティエ」
自動巻き(Cal.1847 MC)。23石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約40時間。SSケース(直径35.1mm、厚さ8.83mm)。10気圧防水。106万9200円(税込み)。(問)カルティエ カスタマー サービスセンター Tel.0120-301-757
「サントス ドゥ カルティエ」は、カルティエの歴史を象徴するコレクションである。カルティエらしい、クラシカルかつ上品な雰囲気は、まさに一生ものにふさわしい。
丸みを帯びたスクエアフォルムと、ビス打ちされたベゼルが特徴的。このデザインはカルティエウォッチの象徴となり、さまざまなバリエーションのモデルを誕生させている。
画像のRef.CRWSSA0029はケースやベゼル、ブレスレットがシルバーで、文字盤がホワイトのモデルだ。ケース径は35.1mmとほどよく、手元を爽やかに彩るだろう。
ショパール「ハッピーダイヤモンド アイコン」
クォーツ。5石。18KRGケース(直径26mm、厚さ6.25mm)。非防水。145万2000円(税込み)。(問)ショパール ジャパン プレス Tel.03-5524-8922
「ハッピーダイヤモンド アイコン」は、ケース素材に18Kローズゴールドを採用した、ストラップタイプの時計である。
ギヨシェ装飾が施されたマザー・オブ・パールの文字盤の周囲を、“ムービングダイヤモンド”が2枚のサファイアクリスタルの中で自由自在に動き回る。
遊び心を備えつつ派手すぎない洗練されたデザインが、身に着ける女性に特別なオーラをもたらしてくれるだろう。
ショパール「ハッピースポーツ」
自動巻き(Cal.Chopard 09.01-C)。27石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約42時間。SS×18KRGケース(直径30mm、厚さ11.23mm)。30m防水。126万5000円(税込み)。
もうひとつ、ショパールから提案したい腕時計が「ハッピースポーツ」だ。ハッピーダイヤモンド同様に“ムービングダイヤモンド”が特徴的なモデルだ。しかし本コレクションはジュエリーウォッチとしてのキャラクターと実用性を両立しており、デイリーユースにも最適な一生ものの女性のための腕時計なのである。また、ハッピースポーツは文字盤の周囲ではなく、文字盤上をダイヤモンドがくるくると動き回る。
ハッピースポーツにも、さまざまなバリエーションが展開されている。中でもおすすめしたいのが、機械式ムーブメントCal.Chopard 09.01-Cを搭載した1本だ。「アルパイン イーグル」の33mmサイズにも搭載されている自動巻きムーブメントで、電池で動くクォーツ式と違って、その駆動力は主ゼンマイだ。パーツが精緻に組み上げられた機械式ムーブメントがシースルーバックからのぞき、クォーツ式腕時計が誕生する以前から親しまれてきた機械式の歴史とロマンに触れられる。
クォーツ式が多いレディース腕時計の中で、あえて機械式を選ぶ“通”な選択肢も良いのではないだろうか。
エルメス「Hウォッチ」 PM 25mm
クォーツ。SS+GPケース(縦25×横21mm)。3気圧防水。51万2600円(税込み)。(問)エルメスジャポン Tel.03-3569-3300
エルメスの「Hウォッチ」は、HERMÈSの“H”をモチーフにしたケースデザインを特徴に持つコレクションである。「PM 25 mm」は、ケース幅21mmと小ぶりでありながらも、存在感のある時計だ。
ストラップ素材に使われている「ヴォー・エプソン」は、メゾンを代表する素材である。雄仔牛の皮に細かく型押しが施されており、耐久性・耐水性・軽量性に優れている。なお、ストラップはW036732WW00の「ゴールド・チェスナット」以外にも、豊富なカラーバリエーションが揃っている。気分やシーンに合わせて印象を変えられるのが魅力だ。
ロレックス「デイトジャスト 31」
自動巻き(Cal.2236)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約55時間。オイスタースチール×18KWGケース(直径31mm)。100m防水。
カルティエ、ショパール、エルメスのみならず、名門時計ブランドのレディース腕時計も一生ものとしておすすめだ。そんな名門のうち、世界で最も有名な時計ブランドのひとつ、ロレックスを紹介する。メンズのみならず、レディースモデルも豊富に展開されており、とりわけ「デイトジャスト」は定番中の定番だ。
デイトジャストは現在28mm径(レディデイトジャスト)、31mm径、36mm径、41mm径で展開されており、さらにサイズや意匠、素材の種類が豊富に用意されている。シンプルで扱いやすいステンレススティールモデルを選ぶもよし、ゴールドや貴石を使った贅沢なモデルを選ぶもよし。好みやライフスタイルによって、お気に入りの1本を見つけてほしい。
ロレックスは品質に定評があることも特筆すべき点だ。防水性や耐磁性といった実用性に優れており、普段使いの腕時計をお探しの女性にもおすすめである。
オメガ「コンステレーション」
クォーツ(Cal.4061)。SS×18Kセドナゴールドケース(直径25mm、厚さ8.1mm)。3気圧防水。137万5000円(税込み)。(問)オメガ Tel.0570-000087
ロレックスと並んで、オメガもまたとても有名で、メンズからもレディースからも支持されていて、そして優れた品質を備えた腕時計を世に送り出す時計ブランドである。
「スピードマスター」「シーマスター」も有名だが、女性の一生ものの腕時計として「コンステレーション」はいかがだろうか。1952年に誕生した高精度な自動巻きクロノメーターモデルから歴史をスタートさせており、現行モデルのラインナップは、オメガ初のマスター クロノメーター規格が与えられた「グローブマスター」を含み、幅広いバリエーション展開が行われている。サイズだけ見ても41mm径、39mm径、36mm径、34mm径、29mm径、28mm径、25mm径が用意されており、さらにその中でも素材やデザインバリエーションが多岐にわたる。
ちなみにオメガの広報担当者によると、オメガのレディースモデルの中で2023年にとても人気が高かったのが、マザー・オブ・パールを文字盤にあしらったモデルだという。エレガントな文字盤は派手すぎず、大人の上品な装いを助けてくれるだろう。
ロンジン「ドルチェヴィータ」
クォーツ(Cal.L178)。SSケース(縦32×横20.8mm、厚さ6.9mm)。3気圧防水。22万1100円(税込み)。(問)ロンジン Tel.03-6254-7350
1832年に創業したロンジン。クラシックなモデルからスポーツウォッチまで、幅広く人気を集めている時計ブランドであり、また、近年では長い歴史の中で作り上げた豊富なアーカイブを強みに、ヴィンテージテイストを備えた意匠の時計で名を馳せている。
ロンジンから一生もののレディース腕時計として選択したいのが、「ドルチェヴィータ」だ。イタリア語で“豊かな人生”を意味する本コレクションは、アールデコ時代のアーカイブから着想を得た、レクタンギュラー型ケースとレイルウェイミニッツサークルがアイコンである。
6.9mmの薄型ケースは袖口から目立ちすぎず、しかし、確かな存在感を放ってくれる。
何十年先も廃れない魅力を備えた1本を
一生もののレディース腕時計を選ぶなら、品質にこだわりを持つブランドを選ぶのがおすすめだ。長く着用できるデザインかどうかもチェックしておきたい。
普遍にして不変の魅力をそなえた1本を、生涯のパートナーとしよう。
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