高級時計のコンプリケーションモデルに興味があるなら、シチズン時計の「カンパノラ」をチェックしておこう。一般的なスイス製モデルとの差別化を図れる、独特な特徴を持つ時計だ。日本が世界に誇る銘品カンパノラの魅力に迫る。
宇宙への憧憬をかき立てる時計「カンパノラ」
独自の世界観を持つカンパノラは、宇宙をイメージした斬新なデザインを魅力に持つ。複雑機構をクォーツで動かす技術にも注目したい。
独創的なデザインと和文化への敬意
カンパノラのダイアルは、宇宙を表現したデザインに加え、多層構造を駆使した立体的な造形も魅力。中でも、光を取り込みやすくしたリングソーラーセルや、異なるダイアルで月・日・曜日を表示する「BU0020-71A 天満星(あまみつほし)」では、独創的なデザインが堪能できる。
カンパノラの全モデルに共通する、宇宙を想起させるデザインは、シリーズのデザインコンセプト「宙空の美」に基づいたもので、時計に無限の宇宙を閉じ込めるという概念を表している。
建築物のように立体的な文字盤は、パーツを組み合わせた多層構造によって実現。一方で、ケースに備えられたラウンドフォルムのサファイアガラスは、ドームの天井を連想させる。
文字盤の漆塗りも、カンパノラを特徴づける要素のひとつだ。優れた芸術性を有する日本の伝統工芸士に製作を依頼し、和文化への敬意を示している。
クォーツで表現された複雑機構
カンパノラは2000年にパーペチュアルカレンダーを搭載したモデルでデビュー。写真はその2年後に発表されたグランドコンプリケーションの初代モデル(生産終了)で、クォーツ式の複雑時計であることはもちろん、金属粉末を混ぜ合わせた漆によって彩られた繊細なダイアルも注目された。
シチズン時計はクォーツムーブメントの分野を牽引するメーカーである。1981年に世界へ売り出したCal.2035は世界標準となり、その累計生産数量はギネスにも認定されている。
クォーツの拡張性を高めたこともシチズン時計の大きな業績だ。かつては難しいとされてきたクォーツでの複雑機構搭載を実現している。
クォーツ式時計の認識を一変させた時計が、他でもないカンパノラなのである。ミニッツリピーターやパーペチュアルカレンダーなど、さまざまな複雑機構を搭載してみせたのだ。