2023年 クロノメトリー・フェルディナント・ベルトゥーの新作時計まとめ

2023年に発表されたクロノメトリー・フェルディナント・ベルトゥーの新作時計を紹介。大型のトゥールビヨンとフュゼチェーンの定力装置を持つ「クロノメーター FB 2T」が3型登場した。

クロノメーター FB 2T

　クロノメトリー・フェルディナント・ベルトゥーは、2023年の新作として、「クロノメーター FB 2T」を発表した。本作は、同社が2015年に発表したオクタゴン型ケースの「クロノメーター FB 1」に搭載されていたムーブメント「Cal.FB-T.FC」を、ラウンド型のケースに収めたモデルだ。3つのリファレンスに加え、パーソナライズも可能であり、合計38本のみが制作される。Cal.FB-T.FCが搭載されるのは、本作が最後のモデルとなる。

　同社は、18世紀の時計師であるフェルディナント・ベルトゥーが制作したマリンクロノメーターに着想を得た時計作りを行っている。それは、本作も例外ではない。

　高精度を実現するために、トゥールビヨンとフュゼチェーン式の動力伝達機構を搭載している。その実力を保証すべく、C.O.S.C.公認クロノメーターを取得しているが、同社ではさらに厳格な精度管理を行い、平均日差-1～+2秒の範囲に調整している。

　大型のトゥールビヨンキャリッジや6本のピラーで支える構造、主ゼンマイの出力を制御することによって駆動を安定させる香箱の巻き止め装置などの独自の機構の数々は、シースルーバックから存分に鑑賞可能だ。ケースサイドにも小窓が設けられており、フュゼチェーン機構の動きを楽しむことができる。

　ダイアルのデザインも、マリンクロノメーターを想起させるものだ。時分は12時位置のインダイアルで示され、センターには堂々とした秒針が配されている。9時位置のパワーリザーブインジケーターは、内部の円錐台を上下させることで表示を動かす、特許を取得した独創的な構造を持つ。

　大型のリュウズには、安全装置が組み込まれており、巻上げ時に必要以上のトルクがかかると、リュウズが巻き上げ機構から分離され、ムーブメントの損傷を防ぐ仕組みになっている。

　3つのリファレンスのうち、「FB-T.FC-2」はブルーPVDダイアルに18Kホワイトゴールド製ケース、「FB 2T.2」はブラックロジウム仕上げのダイアルに18Kローズゴールド、「FB 2T.2-1」はルテニウム加工のダイアルに18Kローズゴールドケースを組み合わせている。