世界中の時計メーカーが新作を発表したウォッチズ&ワンダーズ2023。このイベントで発表された新作より、人気Youtubeチャンネル「ウォッチ情熱応援団」の団長がベスト5を選出! パテック・フィリップ「カラトラバ・トラベルタイム 5224」を筆頭に、強いデザインコードを持つ時計が目立つ結果となった。
1位:パテック・フィリップ「カラトラバ・トラベルタイム 5224」
ラウンド型であること以外にルールがなく、故にラウンド型であることが強力な縛りにもなっているカラトラバ。その枠の中に、「24時間表示」「トラベルタイム」という旅行に必要な機能を見事に盛り込んだ作品。
通常ケースサイドに配される現地時刻調整ボタンを省き、すべてリュウズでの操作に置き換えたことで、ラウンド型が強調されたデザインに。より洗練されたカラトラバスタイルに仕上げられている。
正面はフラットな印象、しかし側面から見るとふっくらとした曲面で仕上げられているという二面性にも心奪われた。
カラトラバとは何たるかを強烈に印象付けてくれた大傑作。
自動巻き(Cal.31-260 PS FUS 24H)。44石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約48時間。18KRGケース(直径42mm、厚さ9.85mm)。3気圧防水。771万1000円(税込み)。
2位:ショパール「アルパインイーグル 41 XPS」
ファン待望(?)の96系L.U.Cムーブメントの搭載、ジュネーブ・シールまで取得しているという意欲作。何がともあれ、まずは色が好き。笑
L.U.Cの恩恵により薄型化され、よりエレガントに仕上げられたものの、“スモセコ”であることとデイトがないことには懐疑的な意見もありそう。折角なら専用に作り込み、2針設計にした方が文字盤の美しさを存分に楽しめたのかもしれない。
しかし、個人的な好みの話をすれば、不完全だからこそ好きになれた、といったところだろうか。完璧すぎる時計はどうにも面白さに欠けると思ってしまう。
この作品も、もしスモセコの針が完璧に整っていたとしたら…そこまで魅力的には感じなかっただろう。スポーティーさを残すため、若干長くそして太くしたことで、目盛りに乗り込んでしまっている。そこが愛おしいのだ。
自動巻き(Cal.L.U.C 96.40-L)。29石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約65時間。SSケース(直径41mm、厚さ8mm)。100m防水。316万8000円(税込み)。
3位:タグ・ホイヤー「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ」
見た瞬間、「そう! 待ってたよ!」と唸ってしまった最新のカレラ。
昨今のタグ・ホイヤーは、Cal.ホイヤー02への切り替えおよび、アニバーサリーエディションや限定カラーを多く展開し、真新しいものへのチャレンジは一旦控えているような印象だった。
しかし今回の新作「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ」の登場で、一気に攻めの姿勢へと舵を切ったように感じる。
カラーや機械に頼らず、外装面、それもサファイアクリスタル風防の大幅刷新。努力の方向性がとても新鮮。
ここまでやり込んで80万円台という価格設定も素晴らしい!
自動巻き(Cal.TH20-00)。33石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約80時間。SSケース(直径39mm)。100m防水。80万8500円(税込み)。