ロレックスが開始した認定中古プログラム「Certified Pre-Owned Program」最初のパートナーとして、スイスをはじめヨーロッパ6カ国でCPO(Certified Pre-Owned)ロレックスの販売を開始したスイスの老舗時計店「ブヘラ」。
前編(https://www.webchronos.net/features/94414/)ではこのビジネスをブヘラがどのような体制で行っているかを担当マネージャーに取材した。
今回は、ジュネーブのショールームで実際、CPOロレックスがどのようなかたち、どのような価格で販売されているのか? また実際に、どんな人々がここでCPOロレックスを購入しているのかをお伝えする。
(2023年4月18日掲載記事)
CPOロレックスの情報をひと目で分かりやすく表示
ジュネーブのブヘラ ブティック5階の「Certified Pre-Owned」フロアの一角を占めるCPOロレックスのショールーム。ここには全面ガラスケースや壁に作り込まれたショーケースに、通常の時計ショールームと同様にディスプレイスタンドを設けて、CPOロレックスが美しく整然と展示され、販売されている。
「ご存じのように、ロレックスを購入したいのに購入できないという方は世界中にたくさんいらっしゃいますし、ジュネーブは国際機関がたくさんある国際都市なので、スイス国内はもちろん、世界中の方がここを訪れてくださいます。普通ではお目にかかることすら難しい稀少モデル、たとえばメテオライト(隕石)ダイアルの『オイスター パーペチュアル コスモグラフ デイトナ』も、CPOロレックスなら購入可能です」と、CPOロレックス・プログラムの担当者である「プライベート・クライアント・マネージャー」のローレン・フォア氏は語る。
展示されているCPOロレックスのコンディションは、当然のことだがどれも上質なもの。ロレックスでのメンテナンスと同等のクォリティが実現されている。そして販売中のすべてのCPOロレックスには、新品で正規販売された際の国際保証書付きなのか、オリジナルボックス付きなのか、何年に製造されたモデルなのか、その時計の情報がひと目で分かるピクトグラム表示を添えたタグが付いている。ただし、現行モデルの場合は、製造年は表記されていないようだ。
またこの2次元コードをスキャンすると、ブヘラのオフィシャルサイトのCPOロレックス・ページのこの時計の情報に即アクセスできる。ただし、日本からアクセスしても、日本は販売対象国ではないので、アラート画面が出る。
1980年代、日本がバブル景気に沸いていた頃、スイス旅行で記念に購入したいもの、大事な人へのお土産といえば「ロレックス」だった。筆者は自由旅行しかしたことがないし、今はどうなっているのか分からないが、当時のスイス観光ツアーの旅程表には、ブヘラのショップ訪問があったと記憶している。
何しろロレックスはスイスの会社だし、当時からロレックスは“スイスNo.1時計”だった。筆者が1990年代にスイス時計の取材を始めた頃、「ロレックスを買って来て」と言われたことは何度もある。だが今は、ジュネーブでも日本と同様に、稀少モデルや人気モデルの新品は品薄状態で、予約待ちになっているという状態は基本的に同じだという。
「プログラムをスタートさせて約2カ月ですが、いちばん記憶に残っているお客様は、レディースモデルをお買い上げくださったアジアの若い男性の方ですね。大事な人からロレックスをリクエストされていたのに、どこに行っても手に入らなかったそうです。『ここでやっと購入できました。ありがとう!』と言ってくださいました」