【2023年新作時計ベスト5】アジアを代表する時計ジャーナリストは新作から何を選ぶ!? SJXの気になる時計

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2023.04.21

多くの有名ブランドが新作を発表したウォッチズ&ワンダーズ2023。この中から上位5本を時計のプロに選出してもらう企画。今回はアジアを代表する時計ジャーナリストSJXがチョイス。1位のF.P.ジュルヌ「FFC」を除けば、堅実な実用機が目立つ結果となった。

2023年 新作時計

2023年4月21日掲載記事


1位:F.P.ジュルヌ「FFC」

私が最高の新作として挙げるもののひとつは、完全な新モデルというわけではない。(編集注:2021年のオンリーウォッチ出展作がレギュラーモデル化)。FFCは、シンプルで独創的な時刻表示でありながら、巧妙で複雑なムーブメントによって駆動するモデルだ。

税抜きで82万スイスフランという価格は、その複雑さを考慮しても高すぎるかもしれない。しかし、この金額はF.P.ジュルヌが生み出したこの時計が、一般的なルールがもはや適用されない次元に昇華したことを物語っており、その世界において、FFCはそれだけの価値があると言えるだろう。

ジュルヌ FFC

F.P.ジュルヌ「FFC」
自動巻き(Cal.F.P.ジュルヌ 1300.3)。63石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約120時間。Ptケース(直径42mm、厚さ10.70mm)。


2位:チューダー「ブラックベイ 54」

直径わずか37mmのブラックベイ54は、ヴィンテージのロレックス「サブマリーナー」に似ているが、現代のチューダーにふさわしい確かな品質を持っている。

このモデルは、ディテールにこだわりを持つ愛好家たちによって考案された。例えば、リュウズとベゼルの形状は、ヴィンテージダイバーズを見事に再現している。

ブラックベイ 54

チューダー「ブラックベイ 54」
自動巻き(Cal.MT5400)。27石。パワーリザーブ約70時間。SS(直径37mm)。200m防水。49万600円(税込み)。


3位:パテック フィリップ「カラトラバ・トラベルタイム 5224R」

遠目には典型的なカラトラバに見えるが、Ref.5224Rは、他のカラトラバと明確に異なる。ケースの直径は42mmと、カラトラバとしては意外に大きいが、厚さは9mm以下と典型的な薄型時計だ。さらにこのモデルが珍しいのは、便利でスマートな24時間表示を持つことである。

デザインは現代的に見えるかもしれないが、クロノメトロ ゴンドーロの歴史的ルーツが色濃く残っている。しかし、771万1000円という価格設定は、2タイムゾーンの時計としては非常に高額でもある。

カラトラバ・トラベルタイム 5224R

パテック フィリップ「カラトラバ・トラベルタイム 5224R」
自動巻き(Cal.31-260 PS FUS 24H)。44石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約48時間。18KRGケース(直径42mm、厚さ9.85mm)。3気圧防水。771万1000円(税込み)。


4位:ロレックス「パーペチュアル 1908」

W&Wで最も大きな驚きを与えたのは、現在ロレックスが提供する唯一の“ドレスウォッチ”と言える「パーペチュアル 1908」だろう。長年、フォーマルウォッチに失敗してきたロレックスにとって、このパーペチュアル 1908は、この分野の時計としてはこれまでで最も強力な提案であった。

品質はロレックスらしい優れたものだが、デザインはあまりにもシンプル。それでもパーペチュアル 1908は、ロレックスがコレクションのレパートリーを増やしていることを示すものであり、間違いなく重要な時計である。

パーペチュアル 1908

ロレックス「パーペチュアル 1908」
自動巻き(Cal.7140)。38石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約66時間。18KYG(直径39mm、厚さ9.50mm)。50m防水。261万9100円(税込み)。


5位:クドケ「クドケ3」

クドケ3は独立時計師が生み出した作品ながら、非常に手頃な価格で提供されている。クドケのこれまでの製品よりも風変わりで、3本腕の時針に頼ったシンプルかつ興味深い時間表示が特徴だ。

この時計の完成度と品質は間違いなくクドケの時計であることを証明するが、既存モデルを所有する人であっても新たに深いき興味を持つくらいに、これまでの作品とはキャラクターが異なる。

クドケ3

クドケ「クドケ3」
手巻き(Cal.1)。18石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約46時間。18KRGケース(直径39mm、厚さ10.3mm)。50m防水。