高いスティレットヒールから生まれる美しい曲線。「マノロ ブラニク」のレディースシューズは男性から見ても、ため息が出るほど魅惑的に映る。しかしメンズもエレガントに履きこなしたい、ユニークな素材のローファーを見つけた。
ラフィア素材とカーフレザーのコンビネーションとなるペニーローファーモデル。ラフィア素材の凹凸のある質感が見た目にも涼しさを漂わせている。傷みやすい踵部にはカーフレザーを配するなど、耐久性を考慮している点もさすがだ。レザーソール仕様。12万8700円(税込み)。
吉江正倫:写真 Photograph by Masanori Yoshie
[クロノス日本版 2023年5月号掲載記事]
メンズのシューズも、やはり魅力的だった!
男性にはあまり馴染みのないブランドかもしれないが、故ダイアナ元妃、マドンナ、ミランダ・カーといった海外のセレブリティや、ファッション系インフルエンサーの女性たちをずっと虜にしているラグジュアリーシューズブランドがある。英国生まれの「マノロ ブラニク」がそれだ。
2008年に公開されたアメリカ映画「セックス・アンド・ザ・シティ」の主人公を演じたサラ・ジェシカ・パーカーが、作品の中だけでなく、プライベートでも愛用するなど、マノロ ブラニクが世界的に注目される契機となった。この映画をきっかけに、日本でも本格的に人気に火がつくこととなる。
ブランドの歴史は古く、1971年にロンドンのオールドチャーチストリートにブティックをオープン、翌年にコレクションデビューしたのが始まりだ。創業者であり、デザイナーのマノロ・ブラニク氏は研究熱心な人物で、当初は靴作りのノウハウを持ち合わせていなかったが、靴職人から10年以上かけて習得。しっかりと職人技を築いてきたブランドなのである。
そんなブランドのアイコンと言えば、ビジューを飾った「ハンギシ」や、日常使いできる「メイセール」など。エレガントなスティレットヒール(ピンヒール)からフラットヒールまで、幅広く展開している。
さて、前置きが長くなったが、実はメンズも数年前から展開していて、定番のキャップトゥオックスフォードの「ウィットニー」をはじめ、ローファーやスニーカーまで揃っている。なかでもおすすめは、この季節にふさわしいラフィア製のローファーだ。ラフィアはラフィアヤシの葉を乾燥させて加工した天然の繊維で、見た目にも涼感のある素材だ。このラフィアはマノロ氏自身も好きな素材であり、これまでラフィアを使ったメンズシューズを毎シーズン、デザインしている。
カジュアルになりがちな春夏の足元だが、マノロ ブラニクのこのシューズを選べば安心。軽やかさの中に上品さが漂う一足といえるだろう。女性だけに独占させたくない、そんな嫉妬心を湧かせるブランドである。
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