多くの新作時計が出そろったこのタイミンングで、最注目の時計について解説してもらう企画。Youtubeの人気動画シリーズ「腕時計魂」で活躍するロック福田こと福田豊は、ショパール「L.U.C 1860」を挙げた。同作は1997年発表の同名時計を復刻したモデルだ。忠実な復刻に留まらず、SS素材を自社製の独自スティールに変更したり、ノンデイト化を図ったりと、マニアにこそ魅力的に感じられるアップデートが施されている。
自動巻き(Cal.L.U.C 96.40-L)。29石。パワーリザーブ約65時間。2万8800振動/時。ルーセントスティールケース(直径36.5mm、厚さ8.2mm)。30m防水。予価326万7000円(税込み)。
2023年4月27日掲載記事
新作一推しモデルはショパール「L.U.C 1860」!
ウォッチズ&ワンダーズ2023開催期間中に発表された新作時計について執筆せよとの依頼である。
その最初の原稿は【2023新作時計ベスト5】として既に掲載済み(https://www.webchronos.net/features/94515/)。こちらの既報では、明るく楽しく祝祭的に会期を盛り上げてくれた、いわば夢の時計たちをご紹介している。
今回は、夢ではなく現実として、筆者が「買いたい」と思った時計をご紹介する。
心引かれたのは、ショパールの「L.U.C 1860」。その名のとおり、1997年に発表されたL.U.Cの初代モデル「L.U.C 1860」の復刻版である。
実は、筆者は初代モデルを買い逃したことを深く後悔。以来、ずっといつかは買いたいと思い続けている。
魅力のポイントは自社開発ムーブメント、Cal.L.U.C 1.96で、96系は「シースルーバックでぜひ眺めたい」と思える数少ないムーブメントのひとつ(個人的にシースルーバックはあまり好きではない)。すべてを控えめにしたシンプルなデザインや、小振りのケースサイズも、大いに好みである。
新作のL.U.C 1860は、これら初代の特徴を、ほぼそのままに継承している。搭載ムーブメントCal.L.U.C 96.40-LはCal.L.U.C 1.96と見た目がほとんど変わらない。直径36.5mmのケースサイズはまったく同じ。クサビ型のインデックスにドーフィン針の簡潔なスタイルもオリジナルどおりだ。