ノーチラス初のグランドコンプリケーション「5740/1G-001」その魅力に迫る

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2023.08.11

パテック フィリップを代表する「ノーチラス」のラインナップに、2018年に加わった「5740/1G-001」は、シリーズ初となるグランドコンプリケーションだ。高いステータス性と機能性を有し、ノーチラスの人気モデルとして君臨している。この記事では5740/1G-001の魅力について解説する。

ノーチラス 5740/1G-001


愛好家を魅了するグランドコンプリケーション

機械式時計の愛好家であれば、誰もがグランドコンプリケーションに憧れを抱くはずだ。世界最高峰の技術力をもつブランドしか製造することができない、稀少性の高いタイムピースは、まさにロマンの塊だといえるだろう。

ここでは今一度、その定義と機能についておさらいしておこう。

グランドコンプリケーションの定義

時計界では高度な技術が込められたコンプリケーション機能が複数搭載されているものを「グランドコンプリケーション」と呼ぶ。ただ、絶対的な定義はなく、ブランドによって基準は大きく異なる。

個々のコンプリケーションでさえ製造するには相当に高度な技術力が要求されるが、それらを複数搭載するとなると、実現できるブランドは限られる。

代表的な複雑機能について

パテック フィリップにおいてコンプリケーション機能に数えられるのは「年次カレンダー」「スプリットセコンドクロノグラフ」「ミニッツリピーター」「ワールドタイム」「トゥールビヨン」の5つだ。これに加え、ブランドによってはムーンフェイズやウルトラスリムがコンプリケーションに含まれることがある。

パテック フィリップのグランドコンプリケーションは得意とする年次カレンダーを軸に、ワールドタイムやスプリットセコンドクロノグラフが組み合わせられることが多い。

なお、ノーチラスにおいては「パワーリザーブインジケーター」と「ムーンフェイズ」を組み合わせたモデルが存在するが、こちらは「プチコンプリケーション」と呼ばれ、グランドコンプリケーションには該当しない。

機能だけにとどまらない魅力

グランドコンプリケーションモデルは機能だけでなく、外装や装飾にも注力されている。その仕上がりはまさに美術工芸品といえるだろう。

特にパテック フィリップは多数のグランドコンプリケーションを世に送り出してきた世界随一のブランドだ。丁寧に仕上げられたダイアルはもちろんのこと、ケースの細部に至るまで徹底的に作り込まれている。

グランドコンプリケーションからは高い技術だけでなく、機構の歴史やブランドのプライドを垣間見ることができる。腕時計の愛好家が“いずれは手にしたい時計”として、これ以上ない選択肢といえるだろう。


高度な時計技術の結晶「5740/1G-001」

ノーチラス 5740/1G-001

ノーチラス 5740/1G-001
自動巻き(Cal.240 Q)。27石。2万1600振動/時。パワーリザーブ最大約48時間。18KWGケース(直径40mm、厚さ8.42mm)。6気圧防水。2283万6000円(税込み)。

ノーチラス 5740/1G-001はパテック フィリップが誇るグランドコンプリケーションの注目モデルで、従来にはなかった魅力を秘めている。

ノーチラス初の永久カレンダー機構を搭載

ノーチラス 5740/1G-001

水平方向のストライプパターンが軽快な印象を与えるブルー・ソレイユダイアル。スポーティーなデザインにマッチしていることはもちろん、落ち着いた色合いは、グランドコンプリケーションモデルにふさわしい上品さも漂わせている。

パテック フィリップは永久カレンダー機構の製造に定評のあるブランドだが、意外にもノーチラスにおいては5740/1G-001が初の搭載機となる。

年次カレンダーだけでなくムーンフェイズも備えるグランドコンプリーケーションとして、時計愛好家からの評価は高い。

また5740/1G-001は機構だけでなく、デザイン面においても完成された1本だ。ダイアルには従来のブラック・ブルーではなく、落ち着いた色合いを放つブルー・ソレイユ仕上げが採用されており、18Kホワイトゴールド製のケースが格別な品格を漂わせる。ケースバックはトランスパレントとなっており、精密に時を刻むムーブメントの様子を眺めることが可能だ。

エレガントな薄型設計

ノーチラス 5740/1G-001

自動巻き永久カレンダー・ムーブメント、Cal.240 Qの搭載により、グランドコンプリケーションモデルでありながら厚さ8.42mmのスリムなプロポーションを実現した。

5740/1G-001の魅力は永久カレンダー機構を搭載しながらも薄型設計であることだ。パーツ数の多い年次カレンダーが組み込まれたモデルは厚くなってしまうことが多い。

しかし、5740/1G-001はケース厚がわずか8.42mmしかなく、永久カレンダーのラインナップにおいて最薄の設計となっている。しかも3針モデルと同じく6気圧防水を備えるため、実用性においても申し分ないスペックを誇る。

名機Cal.240 Qを搭載

Cal.240 Q

永久カレンダーを搭載するムーブメントの中でも圧倒的な薄さを誇るCal.240 Q。ベースムーブメントとカレンダーモジュールを合わせた厚さはわずか3.88mmだ。

Cal.240 Qはパテック フィリップを支える傑作ムーブメントのひとつだ。マイクロローターを備える薄型ムーブメント「Cal.240」をベースに、永久カレンダーが組み込まれている。ローターは22K偏心マイクロローターが採用され、部品総数275点の細かなパーツの数々が芸術的に組み込まれている。

現在でも永久カレンダーの基準機として、数々のコンプリケーションモデルに搭載されており、Cal.240 Qの信頼性は非常に高い。


歴史的な傑作をその手に

ラグジュアリーなデザインに薄型薄設計のCal.240 Qを組み込んだ「5740/1G-001」は、まさにパテック フィリップの傑作といえる。完成されたグランドコンプリケーションとして、その価値は揺るぎないものとなるだろう。



Contact info: パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター Tel.03-3255-8109


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