世界のセレブたちがどんな時計を着けているのか、ワンシーンを切り取り紹介する連載コラム「セレブウォッチ・ハンティング」。今回は男子個人総合で五輪2連覇を成し遂げ、2023年5月に日本体操の強化コーチに就任したばかりの内村航平が愛用する腕時計に着目した。
Text by Yukaco Numamoto
2023年6月4日掲載記事
男子個人総合五輪2連覇を果たした内村航平
内村航平は世界体操競技選手権の個人総合で世界最多の6連覇を成し遂げ、合計21個のメダルを獲得し、国内大会でもNHK杯個人総合で10連覇、全日本選手権個人総合でも10連覇を果たした。これらの記録により世界的な称賛を浴びた内村が、2022年1月14日に都内で引退会見を開いてから約1年半が過ぎた。引退後も、体操選手と言えば内村の名前が頭に浮かぶ人も多いのではないだろうか。
内村は2009年の世界体操競技選手権から2016年のリオデジャネイロオリンピックまでの間に世界大会8連覇を達成した。また国内外において2008年の全日本選手権から2017年のNHK杯までの約9年間、個人総合で40連勝という記録を持っている。
3歳で体操を始め、すべての種目を正確にこなすことができる選手となった。特に着地と空中姿勢に定評があり、技の正確さのレベルが高いことでも知られている。
一方、内村は野菜嫌いの偏食家であり、食事はほとんど肉と米しか食べず、またチョコレートとバナナが大好物だという意外な一面も持つ。内村は森末慎二原作の体操漫画である「ガンバ!Fly high」を愛読書としており、漫画の中に登場する“楽しい体操”を自身の演技目標として掲げている。そして、その目標は引退後も変わらず、これからは指導者として引き継がれていく予定だ。
内村航平が愛用する腕時計はウブロの「クラシック・フュージョン ブラックマジック」
内村航平が愛用する腕時計はウブロの「クラシック・フュージョン ブラックマジック」だ。ウブロといえば「ビッグ・バン」を連想する方も多いと思うが、「クラシック・フュージョン」シリーズは1980年に発表された「クラシック」のデザインを再解釈した主力コレクションである。本作はポリッシュ仕上げとサテン仕上げのブラックセラミックスにブラックラバーストラップを合わせた1本だ。ケースの厚みは抑えられ、ビジネスシーンでも活躍できそうな知的な雰囲気がある。ブラックセラミックス製であるため、軽量で装着感が良いことも特徴だ。
内村が引退会見に選んだ腕時計としての理由も装着感にあるのではないだろうか。すべてを支えてきた手首にそっと寄り添うのは、ダイアルのバランスから見るとシリーズの中でも最も大径の直径45mmのモデルだと思われる。
搭載されるムーブメントは自動巻きキャリバーHUB1112で、パワーリザーブは約42時間である。ベゼル部分にはクラシック・フュージョンのアイコニックな6個のH型チタニウム製ビスが配される。ダイアル部分もベゼルと溶け込むマットブラックダイアルでまとめられ、反射防止加工を施したサファイアクリスタルにより視認性も高いクリアなデザインとなっている。
自動巻き(Cal.HUB1112)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。ブラックセラミックス(直径45mm)。5気圧防水。ブラックラバーストラップ。121万円(税込み)。
「体操界のレジェンド」と呼ばれる内村航平
「体操界のレジェンド」と呼ばれる内村航平氏は今後も日本体操界に深く関わっていく予定だ。楽しい体操をモットーとした華やかで正確な技の数々は見るものを魅了するだけでなく、演じる方も楽しんでいることを伝える演技である。このアイデンティティを若い世代が吸収して、今後日本チームがどんな成長を見せてくれるのかとても楽しみだ。体操を学ぶ小学生に授業を行ったり、イベントに出演したりと競技以外での活動も積極的に行っているため、これからも体操界に関わり続ける内村の姿を見ることができるかもしれない。
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