2019年に、官能的な作風で知られる漫画家ミロ・マナラとコラボレーションした時計を発表したユリス・ナルダン。そして2023年、彼の代表作『デクリック』の細密画を文字盤に施した3つの限定モデルを発表した。
自動巻き(Cal.UN-320)。39石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約48時間。SSケース(直径40mm、厚さ10.20mm)。30m防水。555万5000円(税込み)。
2023年6月21日掲載記事
ミロ・マナラの耽美な世界観を細密画で再現
セクシーな「クラシコ・マナラ」の最初のシリーズは、海を泳ぐ裸の女性とサメ、そしてマーメイドのモチーフであった。ステンレススティール製の40mmケースを備え、3モデルでの展開となる『クラシコ・マナラ「DECLIC」マニュファクチュール』は、「Petites culottes blanches」をモチーフとしている。
ミロ・マナラについて、少なくともヨーロッパでは紹介するまでもないだろう。彼は、官能的な漫画によってミレニアル世代以前の青年に夢を与え、ブルネットやブロンド、赤毛などさまざまな女性像を描いてきたイタリア人アーティストだ。
2019年1月から、ユリス・ナルダンはミロ・マナラとコラボレーションしている。今回、マナラと協力して2度目のスペシャルシリーズの時計を製作した。こうしたエロティックな時計はもともとカルバン派の地域で生まれたもので、17世紀から存在する。
このニッチなマーケットは1990年代に復活した。当時ブランパンを率いていたジャン-クロード・ビバーが、エロティックなオートマタ付きの腕時計を製作したのだ。なお、その時計は密かにル・ブラッシュの時計工房で製作されたものだった。
現在でも、ユリス・ナルダンを含むいくつかのブランドが、このような複雑機構と官能的な絵柄の文字盤を組み合わせた時計を製作している。これらは限定シリーズやユニークピースであり、顧客を喜ばせるためにオーダーメイドで作られたものだ。ラグジュアリー業界に君臨する「政治的配慮」が、この種の時計のマーケティングを乱さないことを願いたいものだ。
クラシコ・マナラ「DECLIC」マニュファクチュールの製作にあたり、ユリス・ナルダンは細密画を使って、ミロ・マナラの漫画を3つの文字盤に描き出した。1983年に発売された漫画『デクリック』の40周年を祝い、各モデルは40本限定となっている。
マナラのイラストを、原画の10分の1の面積に相当する文字盤に細密画で再現するにあたり、ユリス・ナルダンの職人たちは何百時間もの作業を行った。まつ毛ほど細い筆を使って、すべて手作業で行われている。また、彼の官能的な作風を際立たせるため、アクリル絵の具の上にラッカーが塗られている。
北イタリア生まれのマナラは、50年以上にわたってイラストレーターとして活躍してきた。ルーベンスやカラヴァッジョ、デ・キリコの作品を研究し、古典画家としての訓練を受けた後、独自のスタイルを確立した。
「私の描く女性像は、はっきりと理想を表したものです。ギリシャ古典主義やルネサンスを見ると、肉体的なモデルの形態が何世紀にもわたって変化していることがわかります。私は自分の作品を、理想的なモデルの継続的な再解釈だと考えています」と、ミロ・マナラは強調する。
文字盤にはセージリーフ型の時分針が取り付けられている。直径40mmのケースに搭載されるのは、自動巻きムーブメントのCal.UN-320だ。
リュウズはレッドラッカーで彩色され、『デクリック』で描かれる有名なリモコンのボタンにオマージュを捧げている。時計には、尾錠付きのブラックアリゲーターストラップが付属する。
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