サマーシーズンの必須アイテムといえばTシャツ。グラフィックなTシャツを卒業して、上質な素材の“ラグジュアリーなTシャツ”に挑戦してもらいたい。サンスペルのクラシックTシャツなら、ワンランク上の夏になるはずだ。
ブランドを代表するクラシックTシャツ。カラー28色、コットン100%、イギリス製。ストライプ(ボーダーの太さ違いも含めて)14色、コットン100%、ポルトガル製。製造工程のなかで、1枚につき15回も検品を行うという徹底した品質管理の下、出荷されている。「クラシックTシャツ」各1万1000円。
吉江正倫:写真 Photograph by Masanori Yoshie
[クロノス日本版 2023年7月号掲載記事]
大人にこそ似合う最高品質のTシャツ
今回紹介するサンスペルは、1860年にイギリスで創業した高品質なTシャツを提供するブランドだ。アメリカの“カジュアルなTシャツ”と比べると価格もかなり高い。カテゴリーでくくると、サンスペルは“ラグジュアリーなTシャツ”といったところだろうか。これまでにもラグジュアリーなTシャツは日本に上陸していて、『クロノス日本版』の読者世代だと、きっとスイスの某ブランドが頭に浮かぶだろう。そちらがあくまでアンダーウェアとして白と黒を基本色とするのに対し、サンスペルのベーシックライン「クラシックTシャツ」は、とにかくカラーバリエーションが豊富。何枚も揃えたくなってしまうファッションコンシャスが特徴なのだ。
しかも使用されている「Q82 スーピマコットンジャージー」素材が高品質ときている。これは創業者のトーマス・ヒルが1800年代後半に世界初のラグジュアリーTシャツを作った際に開発した、先駆的生地を継承するブランドのアイコン的な素材なのである。
もう少し詳しく説明すると、カリフォルニアの特定の農園で栽培されたエクストラロングステープル(超長繊維)のコットンを使い、イギリスのロングイートンのサンスペル工場で特殊技術を持ったベテランの紡績工と編立工の協業によって丁寧に作られている。独自に開発されたこのコットン地は薄手ながら耐久性に優れ、ガス焼きによって綿糸の不純物や毛羽を取り除いている。そのため肌触りがとても滑らかで、快適そのもの。控えめで上品な光沢感を生み出しているのだ。
現在、サンスペルは写真の「クラシック」(無地とストライプを展開)の他に「リヴィエラ」「シーアイランドコットン」のシリーズをラインナップしている。今回は掲載していないが、「リヴィエラ」は映画「カジノ・ロワイヤル」でジェームズ・ボンド役のダニエル・クレイグのためにデザインされたTシャツで、厚地のスーピマコットンを使用。こちらもぜひ、おすすめしておきたい。ラグジュアリーでありながら価格も抑え気味。カラーとストライプで楽しめる、日常使いのTシャツを着てもらいたい。
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