今春、日本初となる「ブルガリ ホテル 東京」が誕生した。ブランドの世界観を体感できる「イル・リストランテ ニコ・ロミート」の料理を軸にその魅力に迫る。
季節によって変わるトルテッリの、夏のパスタメニュー。パンツァネッラはトマトとパンを合わせたサラダとしてなじみ深いイタリアの郷土料理だが、意外性のある、しかし洗練された逸品に仕上げている。クリーミーなブッラータクリームを彩るバジルのグリーンも美しい。アラカルトのほか、ランチコースやディナーコースでも提供される。
三田村優:写真 Photograph by Yu Mitamura
[クロノス日本版 2023年7月号掲載記事]
世界中で愛される揺るぎない哲学
1974年、イタリア・アブルッツォ州生まれ。地元で営む「レアーレ」は、2014年よりミシュラン三つ星に輝き続ける。世界各国のブルガリ ホテル内に展開する「イル・リストランテ ニコ・ロミート」を監修。
(右)マウロ・アロイシオ(Mauro Aloisio)
イタリア・ロンバルディア州生まれ。「ブルガリ ホテル 上海」を経て、2023年「ブルガリ ホテル 東京」のメインダイニンググ「イル・リストランテ ニコ・ロミート」のシェフに就任。
ブルガリ ホテルズ & リゾーツ コレクションの8番目となる「ブルガリ ホテル 東京」が、今年4月4日に待望のグランドオープンを果たした。東京駅に直結する複合施設「東京ミッドタウン八重洲」の最上階6フロアである40~45階を占める好立地だが、一歩足を踏み入れれば特異な空間が広がる。
インテリアデザインは、既存のブルガリ ホテルズ & リゾーツ同様、ACPV アーキテクツ アントニオ・チッテリオ・パトリシア・ヴィエルによるもので、ブルガリ ホテルの伝統を継承し、日本のクラフツマンシップに敬意を表した空間が出迎えてくれる。客室は、416㎡の「ブルガリ スイート」を筆頭とする23室のスイートルームを含む全98室。マクサルトやフレックスフォルムといったイタリア屈指の高級家具ブランドを採用している。
食においては、ふたつのレストランとバー、ラウンジ、ブティックを展開。レストランのひとつは、福岡でミシュラン三つ星を獲得した寿司職人、行天健二が監修する「SUSHI HŌSEKI」。もうひとつは、イタリア・アブルッツォのレストラン「レアーレ」でミシュラン三つ星に輝き続けるニコ・ロミートの名を冠した「イル・リストランテ ニコ・ロミート」だ。5カ国のブルガリ ホテルに展開するおなじみのコンテンポラリーイタリアンで、「ブルガリ ホテルを訪れれば、本物のイタリアの味を食することができる」を信条に、東京でも他国と変わらぬ味わいでもてなす。意味のない飾りはしない、丁寧な調理によって仕立てられる一皿。そこには味覚と美学の本質が宿り、ハイジュエラーとして名高いブルガリのフィロソフィーと共鳴し合う。
食前や食後には、最上階ワンフロアすべてを使用した贅沢な「ブルガリ バー」もぜひ。館内には数々のジュエリーやアートが飾られているので、足を止めて愛でる時間も加味してお出掛けいただきたい。多くの人に愛されているブルガリだが、「ブルガリ ホテル 東京」を訪れることで、より深く真髄を体感していただけるだろう。
イル・リストランテ ニコ・ロミート
東京都中央区八重洲2-2-1 ブルガリ ホテル 東京 40F
Tel.03-6262-6624
無休 12:00~L.O.14:30、18:00~L.O.21:00
コース昼1万2000円~、夜1万6000円~
(サービス料15%込み)
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