2023年10月11日、ジラール・ペルゴから新作モデル「ネオ コンスタント エスケープメント」が発表された。コンスタントフォース機構を備えた本作は、13年発表モデルをいっそうモダンに、そしていっそうリッチに仕上げたことを特徴とする。
ジラール・ぺルゴが新作モデル「ネオ コンスタント エスケープメント」を発表
ジラール・ペルゴは2023年10月11日、新作モデル「ネオ コンスタント エスケープメント」を発表した。本作は、ゼンマイの巻き上げ量を問わず、安定した歩度を維持するコンスタントフォース機構を備えることを特徴とする。
手巻き(Cal.GP09200-1153)。29石。2万1600振動/時。パワーリザーブ7日間以上。Tiケース(直径45mm、厚さ14.8mm)。30m防水。予価1310万1000円(税込み)。
コンスタントフォースとは、ゼンマイの巻き上げ量を問わず、一定のトルクを供給することで、歩度を安定させる機構だ。機械式時計はゼンマイを完全に巻き上げた状態と、ほどけきった状態とではトルクが異なるため、歩度に影響を及ぼすことがある。そのため各社はトルクを安定化させる試みに挑戦してきたが、ジラール・ペルゴでは13年、「コンスタント エスケープメント L.M.」をリリースした。このモデルは、輪列に追加された“五番車”と、髪の毛の6分の1ほども薄い“シリコン製ブレード”によって、コンスタントフォースを実現する。
備わった五番車にはそれぞれ3歯のふたつのガンギ車を搭載し、交互にエネルギーを供給する。このエネルギー供給の中間デバイスとなるのが、シリコン製ブレードだ。弾性と双安定性を有したこのブレードは湾曲し、1振動につき20回、レバーと噛み合ってテン輪にコンスタントに安定したエネルギーを供給する。結果としてテン輪の振幅は一定となり、安定した歩度へと繋がっていく。なお、この機構は列車の旅で、切符を双方向に折り曲げている時に思いついたのだと言う。
このコンスタントフォース機構搭載モデルの誕生から10年、いっそうモダンに、いっそう華やかになった新作として市場に送り出されたのが、ネオ コンスタント エスケープメントだ。
基本構造は13年作に同じだが、ムーブメントはCal.GP09200へと改良されている。
変更点はムーブメントのパーツ点数が 280個から266個へと減少したことだ。また、ケースはチタン製となり、直径45mmと、13年モデルと比べて3mm小径化した。ロングパワーリザーブは健在だが、新作のネオ コンスタント エスケープメントはさらに7日間以上のスペックが提示されており、安定した歩度に繋がることはもちろん、実用性の高い手巻きウォッチとしても完成している。
また、ブリッジやインデックスが立体的に仕立て上げられており、いっそう華やかでモダンな印象を強めた。
予価は1310万1000円。近年は「ロレアート」人気が注目されるが、本作はジラール・ペルゴのハイレベルなウォッチメイキングが体現された、傑作機と言えよう。
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