ルイ・モネの「コスモポリス」が最も多くの隕石を使用した時計として2023年9月21日にギネス世界記録に認定された。世界に1本のみの貴重なユニークピースであり、ルイ・モネが追及する宇宙への信念を、象徴する作品だ。使用されている12種類の隕石はそれぞれがストーリーを持つ。
45億年前から現在に至るまでの宇宙の歴史
手巻き(Cal.LM135)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約96時間。18KRGケース(直径40.7mm)。3気圧防水。4950万円(税込み)。
各国の宇宙飛行士らの協力を得て、隕石を取り入れた時計を数多く発表しているルイ・モネの宇宙への情熱や憧憬は計り知れない熱量を感じさせる。近年発表しているコズミックアートシリーズは稀少な隕石を効果的に装飾に取り入れているコレクションだ。素材を採用するだけでなく、太陽系10惑星の運行を表示するトゥールビヨン天文時計「メテオリス」といった壮大な機構も発表している。
本作はルイ・モネのCEOであるジャン=マリー・シャラーが長きにわたり収集してきた隕石と蓄積されたアイディアを元に生まれた唯一無二のタイムピースである。宇宙都市を意味する「コスモポリス」と名付けられた。
文字盤はサテン仕上げが施され、中央に月の隕石、フライングトゥールビヨンのキャリッジ裏側にはブラックのL5コンドライト隕石を配している。L5コンドライトとはケイ酸塩鉱物を主要組織とする石質隕石の一種で、コンドルールという球粒状構造を持つものである。モロッコやサハラ砂漠で発見されることが多いが、稀に日本でも発見された例がある。本作に使用されているL5コンドライト隕石は2つの小惑星が宇宙空間で巨大な衝突を起こした結果生まれ、サハラ砂漠で採取されたものである。
コスモポリスを構成する12種類の隕石
文字盤円周上に採用されている隕石は6時位置から時計回りに以下の通りだ。
・ドファール1674隕石
火星から飛来し、オマーンで採取された隕石で、現在までに確認された個数は300に満たない。1gあたりの価格は金とプラチナを合わせたよりも高額で稀少性がある。色は特殊な緑色を帯びている。
・アジェンデ隕石
メキシコに飛来した流星群のひとつである。約45億7千万年前のものと推定される太陽系最古の岩石だ。歴史上最も研究された隕石で、太陽系の形成に関する解析に貢献したことから「宇宙化学のロゼッタストーン」という異名を持つ。
・エルグ・シェシュ隕石
アルジェリアで採取された隕石で、消滅した原始惑星が起源とされる。40億年以上かけて約100年前に地球の引力によって飛来した観測史上最古のマグマ岩である。溶岩を彷彿とさせる赤色・緑色・茶色が混じった色合いの表面が特徴だ。
・ジビルウィンズワン隕石
モロッコで採取された隕石で、生命の発展に必要不可欠なアミノ酸の痕跡が見つかった貴重な隕石である。
・イシェエヴォ隕石
ロシアで採取された微細な層が連なった炭素質コンドライトの一種。
・アルタイ隕石
中国で重さ100トンを超える小惑星の中心部から発見された。鉄とニッケルが混ざった天然の地球外物質で構成されている。
・アグアス・サルカス隕石
2019年4月23日にコスタリカ中部の熱帯雨林に落下した隕石群の一部。
・ギベオン隕石
1830年代にナミビアのギベオンという地域で発見された約4億5千万年まえに落下した隕石。ウィドマンシュテッテン構造と呼ばれる、独特の細かい編目状の模様が特徴だ。
・トルカ隕石
1776年にコンキスタドールによって発見された1万年以上前に地球に飛来した隕石。そのエリア付近に住むメキシコ人たちは様々な道具の金属源として利用してきた。
・サハラ97093隕石
超新星爆発を起こした星の中心部で形成されたEH3エンスタタイト隕石。
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