9月にベネチアで開催されるホモ・ファベール・ビエンナーレ エキシビションへの参加に合わせ、ジャガー・ルクルトは「レベルソ・トリビュート・エナメル」の新作3本の限定モデルで、この開催都市にオマージュを捧げる。各タイムピースのケースバックには、クロード・モネがベネチアを描いた作品がエナメルで精密に複製されており、レベルソがクリエイティブな表現のための、理想的なキャンバスであることを改めて示した傑作だ。
印象派の巨匠、クロード・モネが描いた「ヴェネツィア」に捧げるオマージュ
モネが画家として晩年にさしかかったころに描かれた「ヴェネツィア」シリーズは、1908年の秋に妻とラ・セレニッシマに到着するやいなや彼が魅了された、ベネチアの建築物や、当地の独特な光を見事に表現している。当初、ベネチアは「描くには美しすぎる」と言っていたモネだったが、すぐに作品制作に取り掛かり、さまざまな場所で、時間帯によって変化する光を捉えて繰り返し描いた。多数の作品を制作した時期であり、10週間の滞在期間中に37点の作品が描かれた。
メティエ・ラール工房をたたえるクラフツマンシップの精緻な作品
あらゆる形態の工芸に敬意を表し、推進するというホモ・ファベールの使命は、ジャガー・ルクルトの時計製造における工芸技術だけでなく、高級時計製造で用いられる芸術的な技巧も支援するという取り組みと、大いに通じるところがある。「レベルソ・トリビュート・エナメル」のヴェネツィアシリーズの新作を通して、ジャガー・ルクルトはホモ・ファベールと共有する使命にオマージュを捧げ、細密画とエナメル、ギョーシェ彫りの技巧を組み合わせ、マニュファクチュールのメティエ・ラール(希少なクラフツマンシップ)工房の才能と技術力を披露している。
14層のエナメルを15回も焼成
ケースバックに装飾を施す上での難題のひとつ目は、65×92cm以上のサイズの原画を25×20mmのケースバック上に複製することだった。エナメル職人はモネの絵画のあらゆるディテールを縮小化し、完璧に模倣する偉業を達成した。それだけではない、モネが持ち帰った絵画を彼のフランス・ジヴェルニーにあるアトリエで仕上げるときに行った、質感を加えるために絵具を厚く塗る技法であるインパストを用いた、一瞬一瞬変化する光と空気を捉えた原画の夢幻的なクオリティを再現する必要があった。求められる鮮やかで深みのある色合いを出すために、エナメルを14層(ベースの3層、絵画部分の4層、半透明な淡い色の7層) 重ね、800度で15回も焼成を行っている。
「サン・ジョルジョ・マッジョーレ、黄昏」
モネは、サンマルコ広場の対岸にあり、ホモ・ファベール・ビエンナーレの会場に選ばれたサン・ジョルジョ・マッジョーレ島に魅了された。モネの有名な絵画を細密画で複製するためには、約70時間の緻密な作業が必要だった。ダイアルには、ケースバックに描かれた作品の空の色を引き立てる、ブルーカラーのグラン・フー・エナメルが施されている。レベルソのアールデコ調デザインの幾何学的ラインに呼応する、ヘリンボーン模様のギヨシェ彫りは120本の線で構成されており、この線を1本彫るためには旋盤で3回加工する必要があった。熟練の職人が、全部で360回の加工を8時間かけて行う緻密な作業を行っている。
手巻き(cal.822)。29石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約42時間。18KWGケース(縦45.6×横27.4mm、厚さ9.73mm)。3気圧防水。※価格は要問合せ。
「ヴェネツィアの大運河」
モネの手による深みと動きを見事に表現した、この大運河の魅惑的な光景は午後に描かれた。サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂は水に浮かんでいるように見え、霞んだ光の効果が建物のディテールを昇華している。この傑作を忠実に複製したケースバックには、約70時間のエナメル加工が必要とされた。8時間かけて手作業で施されたダイアルの波模様のギヨシェ彫りは、モネの絵画に描かれた水面の反射を再現している。水と調和する柔らかなグリーンの半透明なグラン・フー・エナメル層が波の視覚的効果を高めている。
手巻き(cal.822)。29石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約42時間。18KWGケース(縦45.6×横27.4mm、厚さ9.73mm)。3気圧防水。※価格は要問合せ。
「ドゥカーレ宮殿」
朝8時に大運河のゴンドラから描かれたこのドゥカーレ宮殿の光景は、水面に映る美しい朝の光を思い起こさせる。「宮殿……は、雰囲気を描くための言いわけに過ぎませんでした」と、モネは友人に書いている。作品の輝く美しさを複製するため、ジャガー・ルクルトのエナメル職人は約70時間かけて作業を行なった。文字盤に施されたギョーシェ彫りのひし形模様は、角度によって様々に変化する光と影を映し出し、モネが魅了された時間帯によって変化する水面に映る光の効果を表現している。
また、半透明なブルーカラーのグラン・フー・エナメル層が幾何学模様を一層引き立てている。この幾何学模様は981本の線で構成されており、この線を1本彫るためには、旋盤で5回加工しなければならなかった。非常に高い技術が要求されるこの作業は、合計4905回の旋盤操作を手作業で行い、作業時間は8時間を要した。
手巻き(cal.822)。29石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約42時間。18KWGケース(縦45.6×横27.4mm、厚さ9.73mm)。3気圧防水。※価格は要問合せ。