命を救うための時計 ジン EZM12

2017.04.18

「EZM12」。自動巻き(Cal.ETA2836-2)。25石。2万8800振動/時。約38時間のパワーリザーブ。SS(直径44㎜、厚さ14㎜)。56万円(税別)。世界300本の限定生産。5月上旬発売予定。

 ミッションタイマーと呼ぶのにふさわしい、いかにもジンらしい新作がバーゼルワールドで発表された。モデル名は「EZM12」。航空救急向けに開発されたこのモデルの概要をご紹介しよう。

 一刻を争う救助・救命活動において、行動を定義づける用語として使われる「プラチナの10分」と「黄金の1時間」。これは、最初の10分間で重症患者に応急処置を施し、事故から1時間以内に病院に搬送することを意味する。EZM12に備えられたカウントアップ式のインナーベゼルは、黒地にオレンジの目盛りで「プラチナの10分」を、黒からオレンジに変わる背景上の白い目盛りによって黄金の1時間を正確に計測ができる。2時位置にあるリュウズを操作してインナーベゼルのスタートポイントを分針に近づけると、救出開始から10分と1時間の残り時間が素早く読み取れるのだ。また、カウントダウン式の回転ベゼルを使えば、患者に投与した医薬品の効果が出るまでの時間を監視したり、救急ヘリコプターが飛び立つまでに残された時間などを把握することが可能だ。

脈拍を計測するパルスローター(パルスメーター)も文字盤内周に備わっていることはいうまでもない。

 他にも、8万A/mまでの高耐磁性、−45度から+80度までの気温下における精度保証、Ar ドライテクノロジーなどハイスペックが連なる。医療活動に従事していなくとも、この時計の持つ特殊な機能性については大いに魅力を感じるだろう。


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