新生タカノ「シャトーヌーベル・クロノメーター」の抽選販売を受付中

2024.11.10

新生タカノのファーストモデル「シャトーヌーベル・クロノメーター」の、抽選販売の応募受付中だ。東京時計精密株式会社の浅岡肇によりデザインされた腕時計だ。ザラツ研磨を採用し、フランス・ブザンソン天文台のクロノメーターを取得している。

シャトーヌーベル・クロノメーター

厳格なブザンソン天文台のクロノメーター検定に合格した、国産時計初の時計である。

新生タカノの「シャトーヌーベル・クロノメーター」

 新生タカノのファーストモデル「シャトーヌーベル・クロノメーター」の抽選販売を受付中だ。本モデルは、浅岡肇によるデザインだ。特徴は、デザイン面ではザラツ研磨を採用し、機能面ではフランス・ブザンソン天文台のクロノメーターを取得しているところにある。

シャトーヌーベル・クロノメーター

タカノ「シャトーヌーベル・クロノメーター」Ref.PWT
自動巻き(Cal.90T)。24石。28800振動/時。パワーリザーブ約40時間。SSケース(直径37mm)。3気圧防水。予価88万円(税込み)。

 新しくなったタカノ。タカノの商標を有する株式会社リコーとライセンス契約を結んだ東京時計精密株式会社が、その歴史を継承する。

 タカノは、幻の時計ブランドとして知られる。1899年に設立された「高野時計金属製品製造所」を前身とし、掛け時計や置き時計を展開していた。1954年よりドイツ・ラコの腕時計の組み立てを請け負っており、その技術を生かして「世界的高級時計を目指す」をコンセプトに、1957年に初のオリジナル時計を生み出した。当時のムーブメントは、ラコが使用していたドローヴェ製ムーブメントを、アメリカ・ハミルトンの時計技師長であるリチャード・W・スラウ氏の指導により、加工を施し、信頼性を高めたものであったという。1959年には、厚さ3.5mmという世界最薄の3針時計「シャトー」を発表するなど、先進的なブランドであった。惜しくも1962年に一度終焉を迎えたが、今回、東京時計精密株式会社によって新たなスタートを迎えることとなる。


ザラツ研磨を採用

シャトーヌーベル・クロノメーター

文字盤は黒と白。それに合わせてクロコダイルストラップの色も、黒文字盤には赤みがかったブラウン、白文字盤ベージュがかったブラウンをそれぞれ採用している。37mmのケース系にボックスサファイアクリスタルの風防を使用した、レトロでオーセンティックなデザインだ。

 まずは本作のデザインに注目したい。針は浅岡氏のメインコレクションにも見られるスカイスクレーパー針を採用。針先のカーブは、ボンベ文字盤および風防のカーブと呼応する。そして、特徴的な点はザラツ研磨を施していることだ。ザラツ研磨とは、腕時計のケースを磨く技術のひとつで、歪みのない美しい鏡面を作る下地処理だ。スイスのザラツ兄弟社が製造していた研磨機を使った研磨工程に名前を由来しており、熟練した職人の手作業を必要とする。近年では、ケースに施すザラツ研磨は、鏡面仕上げの面とサテン仕上げの面を組み合わせることが多いが、本作は鏡面仕上げの面同士を組み合わせており、光を引きつける。時計の精度を全面に押し出した時計に、ザラツ研磨によるクールでシャープな表情がマッチしている。


21世紀初の国産クロノメーターウォッチ

シャトーヌーベル・クロノメーター

ケースバックは、ブザンソン天文台のクロノメーター検定の要項から、トランスパレントデザインとなった。そこから見える蛇の頭の刻印は、ブザンソンクロノメーターの合格の証だ。ムーブメントは8振動の自動巻きムーブメントをベースに、東京時計精密でクロノメーター仕様に調整している。

 さらに、ムーブメントは東京時計精密株式会社にて調整を施し、フランス・ブザンソン天文台のクロノメーターを取得。文字盤には、21世紀の国産時計としては初めてとなる「Chronometer」の表記が刻まれている。

 クロノメーターという用語をより深く知りたい人もいるだろう。その場合ぜひ見て欲しいのが、2024年5月31日に開催された新生タカノローンチイベントの模様だ。会場では浅岡氏によるシャトーヌーベル・クロノメーターの発表と、山田五郎氏のトークセッションでクロノメーターの歴史解説が行われた。クロノメーターを通して、時計の歴史がどれだけ世界の歴史と深くつながっており、その進化によって国の優越までをも左右した背景をわかりやすく説明してくれている。

 クロノメーター用に調整された時計は慎重にフランス・ブザンソン天文台に発送され、現地でクロノメーターの検定を受けている。ブザンソン天文台のクロノメーターの検定は、ムーブメント単体を対象にしたスイスの天文台における検定と異なり、ケーシングした状態で行われるため、基準がより厳格なことで知られる。シャトーヌーベル・クロノメーターは、そんな厳しいクロノメーター検定に合格。その上で、ブザンソン天文台より認定証とともに返ってきた時計をそのまま購入者へ送るというから、実物への期待がさらに高まる。

クロノメーター証明書

ブザンソン天文台による、クロノメーター証明書付きだ。

 公式ホームページ上で抽選販売を受け付けている。

抽選販売情報
【応募開始】2024年11月8日(金)午前11時
【応募締切】2024年11月25日(月)午前11時
【当選発表】2024年11月27日(水)午後3時

詳細は下記よりご覧ください。
https://takanowatch.jp/


Contact info: タカノ https://takanowatch.jp/


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