来たぞ続報! ユニバーサル・ジュネーブが公式WEBサイト公開&新作モデルの情報も?

2024.11.01

2023年に報じられた、ブライトリングによるユニバーサル・ジュネーブの買収。「コンパックス」「ポールルーター」などの名作を手掛けてきたものの、現在は動きがなかった同ブランドの名が再び時計業界で挙がったことに、歓喜した時計ファンも少なくないだろう。そんなユニバーサル・ジュネーブについて、ブライトリングから待望の続報が入った。新たな経営陣のもと、公式WEBサイトが新設されたというのだ。本記事では、新たに入ったユニバーサル・ジュネーブの現在地について、紹介する。

ユニバーサル・ジュネーブ


新たな経営陣を迎えて。ユニバーサル・ジュネーブが本格始動!

 2023年12月、ブライトリングがユニバーサル・ジュネーブの買収を発表した。

 ユニバーサル・ジュネーブは、1894年に創業した時計メーカーだ。1940年に発表した「コンパックス クロノグラフ」や1944年発表のクロノグラフ、トリプルカレンダー、ムーンフェイズを備えた「トリコンパックス」、1954年発表のマイクロローターを搭載させた「ポールルーター」など、自社でのムーブメント開発体制と、高度な時計製造技術を強みに、数々の傑作を生みだした。そんなユニバーサル・ジュネーブは、「Couturier de la Montre(時計の仕立職人)」を標榜する。

ユニバーサル・ジュネーブ

1940年に発表された「トリコンパックス クロノグラフ」。複雑機構を搭載したムーブメントを開発、製造できる技術力や生産体制は、同ブランドの名声を押し上げる大きな理由のひとつである。

 その後、1970年代のクォーツレボリューションを経て、1989年には香港の投資会社ステラックスグループ傘下に。2006年にマイクロローター式自動巻きムーブメントCal.UG100を搭載させた「マイクローター」などを発表するものの、長い間動きがなく、休眠状態にあった。

 休眠とはいえ、今なお同ブランドの過去の作品は、熱狂的なファンを持つ。であるからして、2023年にブライトリングが、正確にはプライベートインベストメントファームであるパートナーズ・グループと、CVCキャピタル・パートナーズがユニバーサル・ジュネーブを買収したという報道は、時計業界に大きな驚きをもって迎えられた。

 さらに2024年10月30日、その続報が公開される。ユニバーサル・ジュネーブのマネージングディレクターにグレゴリー・ブルタンが着任し、同ブランドの公式WEBサイトおよびSNSアカウントが開設されたというのだ。グレゴリー・ブルタンは、2002年よりロジェ・デュブイでムーブメント開発などを手掛け、同ブランドのプロダクト・ストラテジー・ディレクターを務めていた。コンプリケーションやスケルトンムーブメントなどの開発で知られている。

ユニバーサル・ジュネーブ

新設されたWEBサイトでも見られる、ユニバーサル・ジュネーブのプロモーション動画が公開されている。「カブリオレ」や「トリコンパックス」「ポールルーター」など、過去の名作の数々が、その時代をほうふつとさせるアニメーションとともに登場する様は、見ているだけで飽きない。

  新サイトではユニバーサル・ジュネーブのファンがブランドの詳細を確認し、最新のニュースや発表にアクセスすることができる。「UG Magazine」のホームとしても機能することになり、このコンテンツによって、同ブランドの歴史を探究し、ブランドの復活の舞台裏をユーザーに紹介するプラットフォームとなるのだ。これから数週間〜数カ月かけて、ユニバーサル・ジュネーブの貴重な名作とそのストーリーが共有される予定であり、最新情報に触れたいユーザーは、サイト状の専用フォームから名前やメールアドレスなどを登録することをお勧めする。

 なお、ブランドカラーやロゴ、コンテンツといった細部にわたって、ユニバーサル・ジュネーブのコレクター、時計業界の有識者、時計メディア関係者などで構成された諮問委員会の協力の下、国際的に活躍するコンスタンチン・プロゾロフによって制作された。

コレクターや有識者で構成された諮問委員会の協力の下に制作された新設サイト。ブルタンは「熱心なコミュニティに愛されるブランドなのです」としたうえで、「私たちの諮問委員会は、ユニバーサル・ジュネーブの大きな伝統に忠実でありながら、現代的な方法でブランドを構築するために、私たちとともに協力しています」と語っている。また、プロゾロフは「ユニバーサル・ジュネーブの歴史は、時代を超えたイノベーションと芸術性です。驚くべき歴史をただとらえるだけでなく、見た人を時を超えた魔法の旅へと誘い、象徴的な過去と創意工夫に富んだ胸躍る未来をつなぐものを作りたい。そう思ったのです」と語った。

 以下のURLから、ユニバーサル・ジュネーブの世界をのぞいてみよう。

公式サイト
www.universalgeneve.com

 同時に、公式SNSアカウントも開設されている。

Facebook
www.facebook.com/people/universalgeneve

Instagram
www.instagram.com/universalgeneve

LinkedIn
www.linkedin.com/company/27083451


今後の展開に期待が高まる

ユニバーサル・ジュネーブ

1933年に取得した特許に基づいて製造された、リバーシブルウォッチの「カブリオレ」。ユーザーが時計を反転させ、風防側を守れる仕様となっている。

 ユニバーサル・ジュネーブのCEOであるジョージ・カーンは、WEBサイトの新設について「楽しみなことがたくさんあり、これは重要な旅の始まりに過ぎない」と語り、今後の展開を示唆している。また、「新しいユニバーサル・ジュネーブのWEBサイトとソーシャルメディアページにより、ユニバーサル・ジュネーブの今後の展開を垣間見ることができる」と、ブルタンも述べている。

 2024年11月には、スカンジナビア航空(SAS)とともに、「ポールルーター」70周年を祝うことが予定されている。ポールルーターは、1954年に始まったSASのコペンハーゲンとロサンゼルス間の北回り航路70周年を祝って打ち出されたモデルであったためだ。

ユニバーサル・ジュネーブ

ムーブメントの薄型化に寄与する“マイクローター(ユニバーサル・ジュネーブではマイクロローターをこのように呼んでいた)”を搭載した、「ポールルーター」の広告。ユニバーサル・ジュネーブを代表するムーブメントのひとつである。なお、ポールルーターのデザインを手掛けたのは、当時23歳であったジェラルド・ジェンタだ。

 また、現在のところ、ユニバーサル・ジュネーブの最新作の発表は2026年秋を目指されているとのこと。いったいどんな新作モデルとなるのか。続報が楽しみでならない。前述したサイト登録で、これからの最新情報を入手しよう。

ユニバーサル・ジュネーブ

1936年に発表された「コンパックス クロノグラフ」。秒積算計と30分積算計に加えて、12時間積算を備えている。1960年代半ばまでに、同コレクションはユニバーサル・ジュネーブのスポーツウォッチとしてラインナップされるようになり、F1ドライバーのヨッヘン・リントの妻ニーナ・リントに由来して、「ニーナ」と名付けた。



Contact info: ユニバーサル・ジュネーブ press@universalgeneve.com


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