2023年に報じられた、ブライトリングによるユニバーサル・ジュネーブの買収。「コンパックス」「ポールルーター」などの名作を手掛けてきたものの、現在は動きがなかった同ブランドの名が再び時計業界で挙がったことに、歓喜した時計ファンも少なくないだろう。そんなユニバーサル・ジュネーブについて、ブライトリングから待望の続報が入った。新たな経営陣のもと、公式WEBサイトが新設されたというのだ。本記事では、新たに入ったユニバーサル・ジュネーブの現在地について、紹介する。
新たな経営陣を迎えて。ユニバーサル・ジュネーブが本格始動!
2023年12月、ブライトリングがユニバーサル・ジュネーブの買収を発表した。
ユニバーサル・ジュネーブは、1894年に創業した時計メーカーだ。1940年に発表した「コンパックス クロノグラフ」や1944年発表のクロノグラフ、トリプルカレンダー、ムーンフェイズを備えた「トリコンパックス」、1954年発表のマイクロローターを搭載させた「ポールルーター」など、自社でのムーブメント開発体制と、高度な時計製造技術を強みに、数々の傑作を生みだした。そんなユニバーサル・ジュネーブは、「Couturier de la Montre(時計の仕立職人)」を標榜する。
その後、1970年代のクォーツレボリューションを経て、1989年には香港の投資会社ステラックスグループ傘下に。2006年にマイクロローター式自動巻きムーブメントCal.UG100を搭載させた「マイクローター」などを発表するものの、長い間動きがなく、休眠状態にあった。
休眠とはいえ、今なお同ブランドの過去の作品は、熱狂的なファンを持つ。であるからして、2023年にブライトリングが、正確にはプライベートインベストメントファームであるパートナーズ・グループと、CVCキャピタル・パートナーズがユニバーサル・ジュネーブを買収したという報道は、時計業界に大きな驚きをもって迎えられた。
さらに2024年10月30日、その続報が公開される。ユニバーサル・ジュネーブのマネージングディレクターにグレゴリー・ブルタンが着任し、同ブランドの公式WEBサイトおよびSNSアカウントが開設されたというのだ。グレゴリー・ブルタンは、2002年よりロジェ・デュブイでムーブメント開発などを手掛け、同ブランドのプロダクト・ストラテジー・ディレクターを務めていた。コンプリケーションやスケルトンムーブメントなどの開発で知られている。
新サイトではユニバーサル・ジュネーブのファンがブランドの詳細を確認し、最新のニュースや発表にアクセスすることができる。「UG Magazine」のホームとしても機能することになり、このコンテンツによって、同ブランドの歴史を探究し、ブランドの復活の舞台裏をユーザーに紹介するプラットフォームとなるのだ。これから数週間〜数カ月かけて、ユニバーサル・ジュネーブの貴重な名作とそのストーリーが共有される予定であり、最新情報に触れたいユーザーは、サイト状の専用フォームから名前やメールアドレスなどを登録することをお勧めする。
なお、ブランドカラーやロゴ、コンテンツといった細部にわたって、ユニバーサル・ジュネーブのコレクター、時計業界の有識者、時計メディア関係者などで構成された諮問委員会の協力の下、国際的に活躍するコンスタンチン・プロゾロフによって制作された。
以下のURLから、ユニバーサル・ジュネーブの世界をのぞいてみよう。
公式サイト
www.universalgeneve.com
同時に、公式SNSアカウントも開設されている。
Facebook
www.facebook.com/people/universalgeneve
Instagram
www.instagram.com/universalgeneve
LinkedIn
www.linkedin.com/company/27083451
今後の展開に期待が高まる
ユニバーサル・ジュネーブのCEOであるジョージ・カーンは、WEBサイトの新設について「楽しみなことがたくさんあり、これは重要な旅の始まりに過ぎない」と語り、今後の展開を示唆している。また、「新しいユニバーサル・ジュネーブのWEBサイトとソーシャルメディアページにより、ユニバーサル・ジュネーブの今後の展開を垣間見ることができる」と、ブルタンも述べている。
2024年11月には、スカンジナビア航空(SAS)とともに、「ポールルーター」70周年を祝うことが予定されている。ユニバーサル・ジュネーブは、1954年に同コレクションを、SASがデンマーク・コペンハーゲンとアメリカ合衆国・ロサンゼルス間の、歴史的な北極上空を飛行したことを記念して打ち出したためだ。
また、現在のところ、ユニバーサル・ジュネーブの最新作の発表は2026年秋を目指されているとのこと。いったいどんな新作モデルとなるのか。続報が楽しみでならない。前述したサイト登録で、これからの最新情報を入手しよう。