創設20周年(2004年~2024年)を記念して、グルーベル・フォルセイは第10の基本発明「ナノ・フドロワイアント EWT」を発表した。このメカニズムはナノジュール単位でエネルギーを管理し、部品数と全体のサイズを大幅に削減。その結果、世界初のパーペチュアル ナノ・フドロワイアントと、グルーベル・フォルセイ初のフライング・トゥールビヨンおよび手巻きフライバックを組み合わせたケース径37.9mmのタイムピースが誕生した。この時計は、ホワイトゴールドとタンタル製のケースに収められ、限定11本のみ製造される。
9時位置に60分のクロノグラフ積算計、7時30分位置はスモールセコンド。センターの時分針と同軸にクロノグラフの秒積算計を配する。クロノグラフのスタート&ストップは2時位置のプッシュボタンで行うが、フライバック用のリセットはリューズと同軸の3時位置のプッシュボタンで行う。手巻き。42石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約24時間(クロノグラフ稼働時)。18KWGケース(直径37.9mm、厚さ10.49mm)。タンタル製ベゼル。タンタル性シースルーケースバック。3気圧防水。世界限定11本。※価格は要問合せ。
「ナノ・フドロワイアント EWT」に採用されたナノメカニクスとは何か?
これまでの部品の小型化の概念を超えた領域、ナノメートルスケールにまで小型化する。ナノメカニクスにおいては、メカニカルな動きの中でナノジュール単位でエネルギーを制御することを意味する。このキャリバー内でのエネルギー管理の革命は、エネルギー消費と部品数の両方を大幅に削減することを可能にした。
革新されたメカニズム
ナノメカニクスの実現可能性を示すために、グルーベル・フォルセイはフドロワイアント秒針を再発明した。この秒針は 1 秒に1回転し、その振動数に応じて秒を分割する。このナノ・フドロワイアントでは、3Hzのテンプの各振動が2ビートを生み出し、合計で1秒あたり6ビートとなり、1秒を6つに分割する。従来この複雑機構はエネルギーを多く消費するものだが、ナノジュール単位でエネルギーを管理することを目的として、グルーベル・フォルセイはその設計と構造を根本から再考した。
従来のフドロワイアントが1ジャンプあたり 30μJ(マイクロジュール)を消費するのに対し、グルーベル・フォルセイのナノ・フドロワイアントは1ジャンプあたりわずか 16nJ(ナノジュール)で動作し、エネルギー消費を1800分の1に削減した。その結果、メカニズムの体積も90%減少している。ここでの焦点は、単純に秒の分数を測ることではなく、時計製造への完全に新しいアプローチの概念実証として機能することだ。だからこそこのナノ・フドロワイアントはパーペチュアル表示であることが選ばれた。
ムーブメントからのエネルギーを最小限の低慣性ホイールを通じて分配し、管理するため、従来のフドロワイアントでは必要なエネルギー伝達のための輪列を排除することを可能とした。部品点数が少ないほど体積が少ない: この「ナノ・フドロワイアント EWT」は、428個の部品からなる非常にコンパクトな直径31mmのムーブメントで、直径 37.9mm のケース(グルーベル・フォルセイが製造した史上最小のケース)に収められている。
時計技術の頂点
さらに、グルーベル・フォルセイのトゥールビヨンへの情熱を表すように、このナノ・フドロワイアントはブランドの歴史で初めてフライング・トゥールビヨン内に統合されているだけでなく、他にも革新個所がある。このフライング・トゥールビヨンが常に回転する一方で、ナノ・フドロワイアントのダイヤルは常に12時を上とする位置で表示され、最適な視認性を提供する。
フライバックと合わせて、これらの3つの特徴は、グルーベル・フォルセイの10番目の基本発明を完成させた。フライング トゥールビヨン内にセットされ、常に正位置に方向付けられた読み取り軸を備えたナノ・フドロワイアント。これは単なる基礎であり、最終結果ではない。この10番目の発明は、手巻きフライバックムーブメントによって駆動する。グルーベル・フォルセイが手がけたこのコンプリケーションには、建築的要素を強く感じさせるデザインの中で制御されるコラムホイールと、グルーベル・フォルセイの特徴である卓越した仕上げが含まれている。
限定版の傑作
記念すべきこのタイムピースは、EWT(Experimental Watch Technology=実験的時計技術)ラボの研究で見出された発明であり、破壊的で革新的な技術的特徴が強調され、時計の個性が光る洗練された限定11本のみが製造される。
グルーベル・フォルセイが初めて採用するホワイトゴールドケースにタンタル素材のベゼルとケースバックで構成されている。タンタルは、その青みがかった灰色の輝きと、加工や仕上げの難しさ(溶融点3000°C以上)が特徴で、希少な専門知識が必要である。また、グルーベル・フォルセイの本質的な美的シグネチャーも健在だ。建築的なムーブメントが収められたケースは手作業でサテン仕上げが施されたホワイトゴールド製で、手打ち仕上げの部分には「Nano Foudroyante」と「Greubel Forsey」という刻印が施されている。このマスターピースは、コラムホイール周囲の動きを、珍しい3Dモノブロック ジオメトリで見せており、裏側からも鑑賞することができる。
このタイムピースには「2004 – 2024」および「20th Anniversary」という刻印が施され、ブランドの創設20周年を記念している。
グルーベル・フォルセイとは?
グルーベル・フォルセイは、2004年の創業以来、絶えず卓越性を探求し、高級時計製造のピラミッドの頂点で活動し、一線を画したクオリティで名高いタイムピースを設計・製造してきた。ラ・ショー・ド・フォンに位置するマニュファクチュールのアトリエは、傑出したノウハウ、並外れた革新力、そして卓越した希少な職人技を結集している。アート オブ インベンションを自らの羅針盤として、これまでに高級時計の世界を根本から覆す8つの重要な発明を創造し、数々の特許を取得してきた。グルーベル・フォルセイのタイムピースはすべて、「発明と革新」「ハンドメイドと手仕上げ」「精度と信頼性」「建築的なムーブメント構造とデザイン」「希少性とエクスクルーシブ」という5つの原則を満たしている。
日本においては、2022年に高級時計を取り扱うYOSHIDAとの独占販売契約を発表して以来、確実にファンを増やしている。