スイス・ジュラ山脈のノワールモンに拠点を置くルイ・エラールから、この地の名前を冠した新作モデル「レギュレーター グラヴェ・ノワール」が発表された。ルイ・エラールは今回、コレクションのカテゴリーラインを再構築しており、本作はその新カテゴリーの中でコアコレクションに位置付けられる。レギュレーター表示機構をはじめ、同ブランドの美点にあふれた新作モデルについて、紹介する。なお、日本での発売は2024年11月下旬が予定されている。
ルイ・エラールがコレクションを再構築
1929年に創業したルイ・エラール。スイスの伝統的な時計づくりを大切にし、この伝統を体現した高級腕時計を製造してきたブランドだ。2019年、社外アドバイザーに就任し、現在はCEOを務めるマニュエル・エムシュによってリブランディングが推し進められた現在は、伝統的な時計づくりを継承しつつも、現代的に再解釈し、モダンなデザインを取り入れたり、さまざまな分野のつくり手とコラボレーションしたりといった、独自の路線によって時計市場でユニークなポジショニングを行っている。
そんなルイ・エラールから、コレクションのカテゴリーラインを再構築することが発表された。既存の「エクセレンス」コレクションを「ノワールモン」コレクションへ、「スポーティブ」コレクションを「2300」コレクションへと再定義したのだ。
同時に、ノワールモンコレクション第1弾として、新作モデル「レギュレーター グラヴェ・ノワール」が発表されている。
自動巻き(Cal.SW266-1)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SSケース(直径39mm、厚さ12.82mm)。5気圧防水。65万9450円(税込み)。
ノワールモンは、現在ルイ・エラールが拠点を置く、スイス・ジュウ渓谷の地名に由来したコレクションだ。クラシックな「ノワールモン」、高度な時計製造技術が投入される「ノワールモン・メティエダール」、ルイ・エラールが得意とするコラボレーションモデルがラインナップされる「ノワールモン X」の3つの柱で構成されており、今回の新作レギュレーター グラヴェ・ノワールは、ノワールモン・メティエダールの中心的なモデルとなる。そのため限定生産ではなく、レギュラー展開されるモデルだ。発売は2024年11月下旬が予定されている。
ルイ・エラールの“良さ”があふれた新作「レギュレーター グラヴェ・ノワール」
新しく発表されたレギュレーター グラヴェ・ノワールは、ルイ・エラールのアイコンでもある、センターに1本の針、12時位置と6時位置にインダイアルを配した、レギュレーター表示を持つ。一方で、従来のモデルとはまた違った、ヴィンテージ感あるデザインも特徴的だ。この「ヴィンテージ感」の理由のひとつが、1930年代の時計に見られた、セクターダイアルをインスピレーション源としていることだろう。なお、ルイ・エラールにとっては初のデザインコードとなる。
また、このセクターダイアルを作り上げる描線やインデックスは、エングレービングされた後にローズゴールドが流し込まれている。個人的な感想となって恐縮だが、実機を見た時、文字盤の表情が「アプライドインデックスほどはっきりとピカピカしていないけど、上品に、そして存在感たっぷりにゴールドの輝きを見せる」と感じた。その控えめな存在感こそ、この製法が醸し出す効果なのだろう。なお、文字盤は細かく粒状加工となっており、さらにガルバニック処理が施されている。この文字盤の加工がまた、ゴールドの輝きを際立たせているように思う。
搭載するムーブメントは、従来から同ブランドで採用されているセリタ製Cal.SW266-1だ。トランスパレント式のケースバックから、ルイ・エラールのロゴがあしらわれたローターとともに、観賞することができる。
驚かされるのが、価格だ。本作は18Kローズゴールドをあしらい、かつ作り込まれたディテールを備えるにもかかわらず、65万9450円(税込み)という価格に抑えられている。
ルイ・エラールは「高品質な腕時計を、良心的な価格で提供する」ことで知られており、ブランド自身もこのポリシーを志向している。本作は、こういったブランドの姿勢とともに、ルイ・エラールの象徴的なレギュレーター表示をはじめとするユニークなデザインを楽しめる、すなわちルイ・エラールの美点があふれた新作モデルと言えるだろう。
マニュエル・エムシュの来日に合わせて発売!
新作モデル「レギュレーター グラヴェ・ノワール」は、日本では2024年11月下旬に発売される予定だ。発売は、マニュエル・エムシュの来日と合わせてスタートされるのだという。さらにこの来日の際、エムシュが“特別な新作モデル”を携えてくるのだとか……? 続報に乞うご期待!