フランス・ブザンソン天文台の厳格なクロノメーター検定に合格したタカノの「シャトーヌーベル・クロノメーター」が、スイス・ラ・ショー・ド・フォンにある国際時計博物館への収蔵が決定した。
自動巻き(Cal.90T)。24石。28800振動/時。パワーリザーブ約40時間。SSケース(直径37mm)。3気圧防水。88万円(税込み)。
国際時計博物館、「シャトーヌーベル・クロノメーター」を収蔵
スイスのラ・ショー・ド・フォンにある国際時計博物館に、タカノの「シャトーヌーベル・クロノメーター」の収蔵が正式に決定した。このモデルは白色文字盤である。この腕時計は復活したタカノが初リリースしたものであり、フランス・ブザンソン天文台の厳格なクロノメーター検定に合格している。
シャトーヌーベル・クロノメーターは、浅岡肇氏がデザインを手がけた、ケースのザラツ研磨が光る腕時計だ。搭載されたムーブメントは、東京時計精密が丹念に調整し、ブザンソン天文台における厳しいクロノメーター検定を取得したものである。文字盤には、21世紀に製作された国産時計で初めて「Chronometer」の表記がなされた。
針にはスカイスクレーパー針を採用。浅岡肇氏のマニュファクチュールウォッチで用いられるデザインだ。針先は曲がっており、ドーム型の風防とボンベ文字盤と調和している。ケースには鏡面仕上げのザラツ研磨を採用。鏡面仕上げがなされたケース同士を組み合わせることで、独特の輝きを生み出している。
厳格な基準を儲けるブザンソン天文台
フランス・ブザンソン天文台のクロノメーター検定は特に厳格だ。スイスで一般的に行われている検定では、ムーブメントのみで検査されるが、フランスではケースに収めた状態で行われる。これはムーブメント単体よりもはるかに厳格なのだ。厳格な検定をクリアした腕時計には、クロノメーター証書が付与される。
国際時計博物館
国際時計博物館は5000点以上の収蔵品を誇る世界最大規模の時計博物館である。スイスのラ・ショー・ド・フォンにこの博物館は位置し、1974年に建築家のピエール・ゾエリー氏とジョルジュ・J・ヘーフェリ氏によって設計された。コンクリートとレンガを用いた独特の意匠は、訪問者に洞窟に潜り込んだかのような体験を与える。1977年にベトン賞、1978年にサンビューロー賞という建築賞を受賞。同年ヨーロッパを代表する博物館に選ばれた。