腕時計ブランドのKnotはブランド成立10周年を記念して、日本の伝統工芸を用いた「螺鈿 - Raden」と「箔 - Platinum」を発表し、現在発売中だ。「螺鈿 - Raden」は「ATC-40」クロノグラフのインダイアルに螺鈿細工を用いたモデルであり、「箔 - Platinum」は、文字盤にプラチナ箔をちりばめた「切りまわし」という技法を用いた腕時計だ。
インダイアルに「螺鈿」をちりばめた「螺鈿 - Raden」
腕時計ブランドKnotは2024年3月に10周年を迎えた。それを記念して日本の伝統工芸を用いた2タイプの腕時計を発表、現在発売中だ。まずはKnotのフラッグシップモデルである、「ATC-40」のインダイアルに螺鈿細工を施した「螺鈿 - Raden」だ。
黒文字盤。自動巻き(SII Cal.NE88)。34石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約45時間。SSケース(直径40mm、厚さ13.5mm)。10気圧防水。20万円。
この腕時計に採用されている螺鈿細工は、福島県・会津漆塗の 伝統工芸士である大竹信一氏が手掛けたものである。螺鈿細工は、夜光貝やアワビのような光りかがやく貝殻を薄く切り分け、それを漆の表面にちりばめた装飾技法のことである。平安時代から現在にいたるまで発展し受け継がれる、日本の代表的な伝統工芸技法だ。
白文字盤自動巻き(SII Cal.NE88)。34石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約45時間。SSケース(直径40mm、厚さ13.5mm)。10気圧防水。20万円。
螺鈿 - Radenは白文字盤のモデルと、黒文字盤のモデルの2種類での展開となる。付属するリングブレスレットは中央のコマにブラックIPコーティングが施された専用のものが付属する。ストラップは工具を用いずとも、手で容易に取り替え可能なものであり、別売りされている18mm幅のKnot製ストラップに付け替えて楽しむことが可能だ。
プラチナ箔を文字盤に持ちいた「箔 - Platinum」
もうひとつの10周年記念モデル「箔 - Platinum」は、Knotの「クラシックシリーズ スモールセコンド」「クラシックシリーズ クロノグラフ」の文字盤に金沢箔を施したモデルである。
石川県では貴金属を叩き上げ、極限まで伸ばした金箔や銀箔が江戸時代より製造されている。その産地の名がよく知られていることから、金沢箔として親しまれている。今回登場したKnotの腕時計には白く輝くプラチナを薄く伸ばした、金沢で製造されたプラチナ箔を採用。そのプラチナ箔を薄片(フレーク)状にしてちりばめる「切りまわし」という技法で使用している。この技法を用いることによって、繊細な模様を表現している。
切り回しと呼ばれる、
Knotを代表する「クラシックシリーズ クロノグラフ」にプラチナ箔を用いたモデルである。クォーツ( EPSON Cal.M91)。SSケース(直径39mm、厚さ9mm)。3気圧防水。3万7950円。
プラチナ箔は石川県金沢市に本社を置く、箔一が製造。箔一は「金箔総合企業」を掲げ、箔をただ扱うだけの企業ではない。金箔や銀箔そのほか貴金属を用いた箔を使用した美術工芸品や雑貨、文房具、化粧品、インテリアの製造および販売、加えて建築物の内外装にも進出する、箔の総合企業だ。固定概念にとらわれない箔一だからこそのコラボレーションで実現した腕時計である。
6時位置にスモールセコンドを備えた「クラシックシリーズ スモールセコンド」にプラチナ箔を採用。クォーツ(MIYOTA Cal.1L45)。SSケース(直径35mm、厚さ6.5mm)。3気圧防水。3万800円。
「箔 - Platinum」の2モデルは、どちらともクォーツ駆動式のムーブメントを搭載している。また、この腕時計の雰囲気にマッチする新開発のメッシュベルトが付属。ストラップは工具がなくとも容易に付け替えが可能であり、別売りの18mm幅のものに変更可能だ。