ハイビートムーブメントを搭載するロンジンのコレクション「ウルトラクロン」から、カーボン製ケースを採用した「ウルトラクロン カーボン」が登場する。ロンジンではケースにカーボン素材を使用することは今までなく、初の試みである。
ロンジン初のカーボンケースと高振動ムーブメントを採用
自動巻き(Cal.L836.6)。25石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約52時間。カーボンケース(直径43mm、厚さ14mm)。30気圧防水。75万6800円(税込み)。
ロンジンは同ブランドで初めてケースにカーボン素材を採用した「ウルトラクロン カーボン」を発売する。カーボンは強度と軽さを兼ね備え航空産業で使用される素材である。この腕時計の特徴はケースだけにあるのではない。毎時3万6000振動のロンジン独自の高振動ムーブメントCal. L836.6を搭載している。ムーブメントはスイス・ジュネーブの独立時計検定所タイムラボからクロノメーターの認定を受けたものであり、特徴的な外装と高い精度を併せ持った腕時計だ。
「ウルトラクロン」の系譜
ロンジン初の高振動ムーブメントが搭載されたダイバーズウォッチは、1968年に登場した「ウルトラクロン ダイバー」であった。ロンジンはスポーツ計時用に高振動ストップウォッチを開発。1910年にはその特許を取得しており、それらの技術は腕時計に転用された。その後に、ロンジンの高振動モデル「ウルトラクロン」が誕生し、そのダイバーズモデルとして派生したのが、ウルトラクロン ダイバーなのだ。
そして2022年。1968年に発表されたダイバーズモデルにオマージュを捧げ、最新技術で製造された「ウルトラクロン」が登場。2025年にブランド初となるカーボンケースを採用した「ウルトラクロン カーボン」が登場することとなったのだ。
2022年には1968年に発表されたモデルにオマージュを捧げ、最新技術で製造された「ウルトラクロン」が登場した。
自動巻き(Cal.L836)。25石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約52時間。SSケース(直径43mm、厚さ13.6mm)。30気圧防水。55万8800円(税込み)。
それより前から、ロンジンは「ウルトラクロン」などのモデルに代表されるように、高振動ムーブメントの開発において高い地位を確立していた。時をさかのぼった1910年には、すでにスポーツ計時用の特許を取得していたのだった。
ロンジン初のカーボンをケースに採用
ウルトラクロンダイバーに用いられる直径43mmのケースは、一方向性カーボンファイバーと、エポキシ樹脂片を型に入れて高温で熱した後に高圧で圧縮したあとにコールドカットを施すことで、ウルトラクロンのクッション形ケースに成型されるのだ。
製造工程において、炭素繊維の配置はランダムであるため、同じウルトラクロン ダイバーであっても、ケースの持つ表情はひとつひとつ異なるのである。カーボンはとてもとても軽量であり、時計本体とストラップを含めても80g以下という軽量さを実現している。なおかつ、防水性能は30気圧と高い。
なお、ベゼルはチタン製で固定された仕様だ。10分刻みの目盛りが刻印された、アルミニウム製のインサートが用いられている。裏蓋とねじ込み式のリュウズもチタン製だ。サファイアクリスタル製の風防には多層無反射コーティングが施されている。
文字盤にはアンスラサイトカラーを採用。12個のシルバーカラーのアプライドインデックスが配されたデザインだ。インデックスと時・分針にはブルーに光るスーパールミノバが施されているため、夜間の視認性も確保されている。
高い振動数と精度
本作にはロンジン独自の高振動ムーブメントCal. L836.6を搭載。このムーブメントは、毎時3万6000振動と高い振動数を誇る。一般的な機械式ムーブメントに比べ、着用時の衝撃や、着用位置の変化に対する安定性が向上している。ヒゲゼンマイにはシリコン製の素材が採用されているため、ISO764規格を大きく上回る耐磁性を備えている。
また、この腕時計は、ジュネーブの独立時計検定所タイム等ラボにてクロノメーターとして認定されている。この検定ISO3159規格にのっとり行われるもので、そのプロセスでは、15日間の試験期間が設けられ、その間に時計全体がさまざまな姿勢で機能テストを受ける。さらに、摂氏8度、23度、38度と3つの異なる温度でそれが繰り返され、その精度は厳しく検査されるのだ。