チャペックの新作「プロムナード プリッセ」は、ひらひら舞うプリーツを文字盤上に再現

チャペックの「プロムナード」コレクションの新作が発表された。テーマは「プリーツ」である。スカートやドレスといった洋服に付けられた「折ひだ」のことだ。このプリーツは、4時30分位置という箇所にレイアウトされたスモールセコンドを中心として、大胆な曲線を描いている。

大胆にもうねる「プリーツ」を文字盤に配した意欲作

　2025年2月、チャペックは光と影を巧みに操り、魅力的なイリュージョンを生み出す、ファッションにインスパイアされた新しい文字盤を備えた「プロムナード プリッセ」を発表した。

　ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2024で発表された「プロムナード」コレクションは、腕時計を単なる計時のための装置ではなく、創造的な表現のキャンバスとして、シックかつモダンなものを製作したいという願いから生まれたのである。

　チャペックのこれまでの多くの開発と同様に、アイデアから実現に至るまでの過程は一直線に進んだわけではない。当初はコレクターが満足するクオリティの女性用腕時計を創造するというものだった。

　だがそれを飛び越えて、性別に関係なく、洗練されたスタイルを備えた、緻密な装飾のムーブメントを高く評価する人々にアピールできるシックでモダンな腕時計を作りたいという願望へと、アイデアは変化したのだった。

　チャペックのCEO、ザビエル・デ・ロックモーレルは「私たちは常に、ウォッチメイキングにおける性別の区分は主に人為的なものだと信じてきました」と述べている。また、同CEOはこのように続けた。「美しさと創造性は男性と女性を結びつけます。美しい時計を作ることは、性別の二分化に還元することはできません。美しく仕立てられたスモーキング（タキシードスーツ）が男性にも女性にも同様に素晴らしく映えるのと同じように、美しい時計は男女を問わず魅了するのです。」

　スリムな直径38mm径ケースのプロムナードは、遊び心と生きる喜びが注入された、リラックスした静かで自信に満ちあふれた洗練さを表現した腕時計だ。プロムナードの文字盤の特徴は、その非対称性にある。デザインは4時30分の位置に配置されたスモールセコンドから放射状に広がり、ダイナミックな緊張感を生み出している。

　プロムナード プリッセコレクションは、ファッション史上有名な数々のプリーツを参考にしている。例えば、映画「七年目の浮気」でマリリン・モンローが着ていたシックでセクシーな白いプリーツドレス。クチュールの伝統とハイテクノロジーを融合させたイッセイ・ミヤケの未来的なプリーツ（男性用、女性用）と軽いシルク。そして1966年に作られた、アンドロギュノス・スタイルの元祖であるイヴ・サンローランの永遠にモダンなスモーキングなどだ。