H.モーザー初となる、自動巻きパーペチュアル・ムーンフェイズムーブメントを搭載した「ストリームライナー・パーペチュアルムーン コンセプト メテオライト」が発表された。ナミビアに落下した実際の隕石を文字盤素材に用い、その特徴的な構造が際立つゴールドトーンのフュメ仕上げを施している点が特徴である。

自動巻き(Cal.HMC 270)。27石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径40mm、厚さ13.2mm)。12気圧防水。712万8000円(税込み)。2026年2月日本入荷予定。
H.モーザー初の自動巻き式パーペチュアル・ムーンフェイズモデルが登場
H.モーザーは、同社として初となる、自動巻き式のパーペチュアル・ムーンフェイズモデルである「ストリームライナー・パーペチュアルムーン コンセプト メテオライト」を発表した。本作は自動巻きの採用という機構的な新規点だけでなく、ナミビアに落下した実際の隕石を文字盤素材に用いている点が特徴で、幾何学的な組織の模様が、本作に唯一無二の表情を加えている。
この文字盤は、ギベオン隕石と呼ばれる鉄隕石だ。隕石の多くは、太陽系が形作られる頃に生じた小惑星であり、鉄隕石は何らかの衝撃で飛散した天体の核の一部とされている。この中には、鉄の他にニッケルが多く含まれ、宇宙空間で極めて長い時間をかけて冷却されることで特有の結晶構造が生じる。この構造は「ヴィドマンシュテッテン構造」と呼ばれ、唯一無二の幾何学模様を持つ。

本作では、この幾何学模様を際立たせつつ、H.モーザーらしいアプローチで文字盤を仕上げている。文字盤サイズにギベオン隕石を切り出した後、特別な処理によって模様を浮かび上がらせ、ここにゴールドトーンのフュメ仕上げを重ねているのだ。「ヴィドマンシュテッテン構造」の直線的なデザインと、グラデーションによる表現が対照的である。さらに本作の文字盤は、「コンセプト」仕様に準じたロゴもインデックスも配さないもので、隕石のもつテクスチャーを堪能できる仕上がりだ。
ゴールデン メテオライトと名付けられたこの文字盤には、18Kレッドゴールド製の時分針とムーンフェイズ表示が組み合わされる。針にはグロボライトのインサートがあしらわれ、センターセコンドにはスーパールミノヴァが塗布されており、暗所での視認性も確保されている。
H.モーザーはこれまで、手巻きムーブメントによるパーペチュアル・ムーンフェイズモデルを展開してきたが、本作ではこの機構と自動巻きムーブメントを初めて組み合わせている。

完成した自動巻きムーブメントのCal.HMC 270は、パーペチュアル・ムーンフェイズの本来の魅力である、1027年間でわずか1日の誤差という高精度さと、プッシャーによるムーンフェイズ表示の調整が可能というシンプルな操作性を維持しつつ、自動巻き機構を加えている。パワーリザーブも約72時間で、実用性が高い。



