バーゼル日記3月23日 アンジェラス
アンジェラスからはスケルトナイズされたムーブメントを持つ、トゥールビヨン・クロノグラフ・ダイバー“アンジェラスU51”が登場した。
革新的な技術の集積により、徹底的に軽さを追求したうえで、ダイバーズウォッチとしての過酷な使用条件をクリアする、とんでもない時計だといえるだろう。
たとえばそのチタン製のブリッジは、軽さを求め必要最低限の細さにつくられ、サンドブラスト仕上げを施されている。
シリコンを素材としたレバー式脱進機により、安定的に2万8800振動/時で時を刻み、トゥールビヨンケージはピボット式ではなくボールベアリングに取り付けられている。
さらにはアンジェラスの技術者はこの時計を、約5日間パワーリザーブという性能を持つ、スポーツウォッチ界のスーパースターに仕立て上げることに成功した。
4時位置のリュウズは時刻合わせとメインスプリングの巻き上げに用い、2時位置のリュウズで60分インナーベゼルを操作するようになっている。
そしてこの時計は昨年のブラックに統一されたU50というダイバーズウォッチとは逆に、オレンジ色とブルーをアクセントカラーに用いて、かなりカラフルなデザインをまとっての登場となった。
アンジェラスもまたいにしえのクロノグラフ・メーカーとして、多くのコレクターがいるスイス時計ブランドのひとつだが、今またこうして新しい歴史を刻み始めた。
それも最新のテクノロジーを駆使した、ユニークな時計作りをするブランドとしてのポジションを確立しての再スタートだから喜ばしい。
手に取ると本当にその軽さに驚いてしまう。マリンスポーツには縁のない身だが、このような時計を手に、パラダイスを散歩するのも悪くはないと思わせてくれる時計である。