バーゼル日記3月23日 フレデリック・コンスタント
アクセシブルな高級時計を、というコンセプトを掲げるフレデリック・コンスタントは、毎年その思いを実現する新作を発表し続けてきた。
昨年その意外性びっくりさせられたのはトゥールビヨン・パーペチュアル・カレンダーを200万円台という価格設定で打ち出したことだった。
その完成度の高さに比べて、なんともリーズナブルな価格設定であることと、その企業努力の成果を見て、フレデリック・コンスタントの企業姿勢の矜持を見た気がしたものだ。
そして今年はマニュファクチュール・コレクションに28番目となる、自社製キャリバーを持つスリムラインの、50時間パワーリザーブ・モデルを追加した。
従来からあったFC-723に、新たにパワーリザーブ・モジュールを組み込み、この新作を完成させた。
読み取りやすさを追求した、10時位置のパワーリザーブ・インジケーターが、この時計を楽しく日常使いさせてくれるだろうと思う。そしてこのさりげなさこそ。毎日の時間を知る相棒としてふさわしいデザインなのだ。
文字盤の色は、シルバー・グレイとブラックの2色があり、ケース素材はSSにゴールド・プレートを施したものと、ステンレスの2色。
特に個性的なブラック文字盤のものは、どこかヴィンテージの名品を思わせる雰囲気を持っていて、個性的な時計を楽しみたい人に選ばれるだろう。
また日本で人気の高い、クラッシック・カレ・ハートビートをスケルトナイズしたものが発表されたが、こちらもとても魅力的だ。
文字盤の中央の分メモリを刻んだリングを、ローマ数字のアワーマーカーが放射状に取り囲み、その隙間からムーブメントを覗き見ることができる。
スクエア・シエイプの時計をスケルトナイズした時計というものは案外少ないから、ちょっとひとひねりの工夫がある時計を探そうとしている人に取っては、うってつけの時計ではないだろうか。