フェルディナント・ベルトゥーがGPHG(ジュネーブ時計大賞)2019において、クロノメトリー賞を受賞

2019.11.26

 2016年、クロノメトリー・フェルディナント・ベルトゥーの初作となったクロノメーター「FB 1.1」モデルは、ジュネーブ時計大賞(GPHG:Grand Prix d’Horlogerie de Genève)の最高賞である金の針賞(Aiguille d'Or)を受賞した。あれから3年、2回目のGPHGへのエントリーを果たしたクロノメトリー・フェルディナント・ベルトゥーは、同大賞のクロノメトリー部門において、浸炭スティール製レギュレーターモデル「FB 1R. 6-1」で、再び栄誉を手にした。

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センターセコンドを持つ数少ないトゥールビヨンのひとつ

クロノメトリー・フェルディナント・ベルトゥー「FB 1R.6-1 Carburised Steel Regulator」
手巻き。フュゼ・チェーン式トゥールビヨン(コンスタントフォース機構)。2万1600 振動/時。C.O.S.C.認定クロノメーター。パワーリザーブ約53時間。浸炭SSケース(直径44 mm / 厚さ13.95 mm)。30 m防水。29,290,000円(税別)

黒ではない、炭黒と呼ぶべきケース

 聞き及びのない素材がケースに使用された。浸炭スチールとは、ガス相の炭素を熱化学拡散することによって分子構造が強化されたスチールだ。表面で1200ビッカースもの硬度が保証され、高い耐久性がもたらされる。また精度も抜群だ。数ある時計規格の中でも最も厳格といわれる「カリテ フルリエ」において、その着用精度を検証するフルリテストのフルサイクルの2 回の検査で、「FB 1R.6-1」は素晴らしい結果を示した。様々な姿勢条件を加えたにもかかわらず、同モデルの精度差は極めて微小であり、36回のテスト中33回で1秒未満の数値を示し、ウチ18回のテストでは日差0.5秒以下を記録した。

吊り下げ式可動円錐パワーリザーブ機構と螺旋型ばね

特許出願中のこのパワーリザーブ表示装置は、ケースバック側のハーフブリッジの開口部から見える円錐台が香箱に連結したウォームねじに沿って上下する。この片側支えの円錐台には先端にルビーの付いた探触子が設置され、香箱の巻き上げ状態によりその位置が変わる。レギュレータープレートの開口部から見える繊細に面取りロジウム加工された一連のレバーに、この探触子が主ゼンマイで蓄積されたエネルギーの量を伝達することにより、パワーリザーブ表示針の移動量が増幅される仕組みだ。流れの最後に位置する螺旋型ばねは、パワーリザーブ表示針の支え部分に力をかける。このばねにより、この機構の部品全体のあそびを補い、無類の精度でパワーリザーブが表示される。


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