ハリー・ウィンストンを象徴する「HW プルミエール」から新年にふさわしい世界限定8本のタイムピースが発売

2020.01.07

ハリー・ウィンストン「HW プルミエール・チャイニーズ ニューイヤー オートマティック 36mm」

HW プルミエール・チャイニーズ ニューイヤー オートマティック 36mm

子年を祝した限定モデル。“キング・オブ・ダイヤモンド”の異名を持つ同社らしい高い技術によって異なるカットのダイヤモンドが美しく散りばめられている。なお、レッドカラーは幸運の象徴でもあり、魔除けの効果があると考えられている。

 1989年にデビューして以来、ハリー・ウィンストンのアイコニックなコレクションであり続ける「HW プルミエール」。ニューヨーク5番街本店のファサードをインスピレーション源とした12時位置と6時位置の3つのアーチが特徴的なデザインとなっている。そんな同コレクションより子(ネズミ)年にちなんだ限定モデルが発表された。

 ダイヤモンドのスペシャリストとして多くの女性からの支持を集めるハリー・ウィンストンだが、ジュエリーのみならず、ハイエンドウォッチの分野でも話題を集めている。同社のウォッチメイキングは新たな切り口のデザインやコンセプト、新素材を積極的に採用することで知られており、その最たる例が、宇宙工学の分野で使用されるザリウムをケースに使った「プロジェクト Z」コレクションに見て取れる。また、その革新性は素材選びや機構だけにとどまらず、デザインコンセプトにまで及ぶ。

彫金細工が魅せる芸術的タイムピース

 十二支をモチーフにしたシリーズをハリー・ウィンストンが最初に発表したのは申年(猿)の2016年だった。翌年には酉年の鶏、さらに戌年のチャウチャウ、19年の亥年は豚を(日本の干支と中国の十二支はココが違う。イノシシではなく、豚なのだ)ダイアルデザインのモチーフとしてきた。そして20年の限定モデルが子年のネズミである。

HW プルミエール・チャイニーズ ニューイヤー オートマティック 36mm

ハリー・ウィンストン「HW プルミエール・チャイニーズ ニューイヤー オートマティック 36mm」
自動巻き(Cal.HW2014)。28石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約68時間。18Kローズゴールド(直径36.2mm、厚さ9.42mm)。3気圧防水。565万(税別)。世界限定8本。

 話は逸れるが、十二支にはそれぞれ特徴があり、自身の生まれた干支によって性格判断を楽しむことができることをご存知だろうか。中国だけでなく、マレーシアやシンガポール、ベトナムといった東南アジアでも親しまれている情報なので、話のネタに自分の干支がどんな特徴を持っているのか知っておくと、アジア圏の友人との会話で意外と盛り上がるのでお勧めしたい。子年生まれの特徴は、一説によれば鋭い判断力と忍耐強さという長所を持っており、その長所を活かせば財を成すことができるという。また、ネズミは成長が早く、子供が生まれやすいので子孫繁栄の象徴でもある。

 さて、正直なところこのモデルの情報を入手した際、ネズミを「HW プルミエール」にどう落とし込んでいくのだろう、と筆者は疑問に思っていたが、仕上がりは予想をはるかに超えた美しさだった。レッドのビーズ加工を施したマザー・オブ・パールのダイアルに彫金細工の繊細なネズミが映える。しかしこのネズミは一目でそれと分かるような強い主張を持っておらず、唐草と相まって、あくまでも控えめで上品だ。

 この繊細な表現は中国最古の芸術表現であるといわれている剪紙(切り絵細工)へのオマージュで、陰陽の絶妙なバランスを生み出している。ハリー・ウィンストンの職人たちは鮮やかなレッドのマザー・オブ・パールを深紅の紙に見立て、そこにゴールドを用いて切り絵細工独特のシルエットを表現している。

異なるカットのダイヤモンドが放つ光の競演

 春節を記念して作られたこのタイムピースのダイアルには、さまざまなカットのダイヤモンドが配されている。ネズミのボディにデザインされたフラワーモチーフにはセンターに配された1個のラウンド・ブリリアントカット・ダイヤモンドを囲むように8個のマーキースカット・ダイヤモンドがあしらわれ、立体的な表情を生み出している。12時位置には創始者ハリー・ウィンストンがもっとも愛したエメラルドカット・ダイヤモンドをセッティング。このダイヤモンドは機械式自動巻きムーブメントが搭載されていることを示すディティールでもある。

 ローズゴールド製ケースのベセルとラグ、リュウズには57個のラウンド・ブリリアントカット・ダイヤモンドが用いられている。このうち、リュウズとラグに用いられるダイヤモンドはキューレット側が表面にくるようにセッティング。至高の芸術作品を生み出す精緻な技巧を垣間見ることができる。

 ケースバックはサファイヤクリスタルで自動巻きムーブメントCal.HW2014が時を刻む様子を鑑賞することができる。シリコン製ヒゲゼンマイを採用しているため、長期間にわたる高い精度を実現し、パワーリザーブは約68時間を備える。ケースバックからはムーブメントに採用されたローズゴールド製のスケルトン加工ローター、コート・ド・ジュネーブ仕上げの装飾、ロジウムメッキ仕上げのパーツ、サーキュラーグレインのほか、リミテッドナンバーも刻まれる。

 中国マーケットを意識した上での限定本数の8という数字も、中国数秘術でもっとも縁起が良いとされる数字から来ていることには納得するが、欧米ブランドが東洋の十二支をイメージし、デザインとして具現化したものは想像以上に美しく、世界限定8本というのは惜しいとすら感じさせられる。


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