「ロンジン ヘリテージ ミリタリー」として、1947年にフランス海軍向けに製作されたモデルが復刻された。経年変化を再現したダイアルと高いスペックのムーブメントが採用され、アンティークと現行品の両方の魅力を備えたモデルに仕上がっている。
自動巻き(Cal.888.5)。21石。2万5200振動/時。パワーリザーブ64時間。SS(直径38.5mm)。3気圧防水。24万円(税別)。
ただの復刻にとどまらない、歴史の重みを感じさせる1本
世界各国の軍隊に時計を納入した実績のあるロンジン。同社はそれらのうち、いくつかの名機を「ロンジン ヘリテージ ミリタリー」として復刻してきた。そして今回、1947年にフランス海軍に向けて製作したモデルが復刻された。
復刻モデルといえど、ただオリジナルのデザインを盛り込むだけでなく、年月をかけて経年変化した風合いを表現している。日に焼けたようなゴールドオパーリンカラーのダイアルは、まばらに生じた黒い斑点まで再現され、アンティークウォッチ特有の柔らかな表情を見せている。アラビアインデックスのカラーは、ブラウンのスーパールミノバによるものだ。時分針に塗布されたものも同様であるが、これは当時発光塗料として使用されていたラジウムの劣化を表現したものだ。12時位置の印字もオリジナルに忠実に、フランス向けの「FAB. SUISSE」の表記となっている。
ムーブメントは、シリコン製ヒゲゼンマイを採用した「L888.5」が搭載される。パワーリザーブは約64時間と長めに設定されており、クラシカルな見た目ではあるが、現行品として十分な性能を持っている。
あえて経年変化を再現するというのは、既にラインナップされている「ロンジン ヘリテージ ミリタリー(L2.819.4.93.2)」でも見られた手法だ。多くのブランドで見られるクラシックな復刻デザインとピカピカの最新素材の組み合わせも魅力的であるが、アンティークウォッチ独特の表情を再現したモデルも侘び寂びがあり、どちらも甲乙つけがたい。
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