老舗酒蔵の技とフランス料理界の巨匠の探求心が共演する「Alain Ducasse Sparkling Sake」が誕生

2021.05.11

日本酒「七賢」を醸す山梨銘醸とフランス料理界の巨匠アラン・デュカス氏が、新商品「Alain Ducasse Sparkling Sake(アラン・デュカス スパークリング サケ)」を共同開発。デュカス・パリのシェフソムリエであるジェラール・マルジョン氏の描く味わいのディレクションを受け、醸造家・北原亮庫氏による画期的な製法によって生まれたこれまでにない珠玉のスパークリング日本酒をぜひご堪能いただきたい。

Alain Ducasse Sparkling Sake

乾杯酒にふさわしい「Alain Ducasse Sparkling Sake」。
外川ゆい:取材・文
Text by Yui Togawa


日本酒の新境地「Alain Ducasse Sparkling Sake」

テーブルにも映える優美なデザインの「Alain Ducasse Sparkling Sake」は、日本酒「七賢」を国内と海外9カ国・エリアにて展開する山梨銘醸と、本格的なビストロから3ツ星レストランまで世界11カ国で約30のレストランを統括するアラン・デュカス氏の共同開発によって誕生した新たなスパークリング日本酒だ。開発はおよそ2年前からスタート。山梨県北杜市の酒蔵を訪れ、山梨銘醸が醸す全ての日本酒をテイスティングし、稲刈りなどもスタッフと共に行ったという。

完成した「Alain Ducasse Sparkling Sake」について、デュカス氏はこう語る。「人と自然、そして繊細なデザインとグラフィックが織りなす結晶です。おいしさの前に美しさがあり、そしてテロワールを表現するその風味と舌触りが五感を刺激するだけでなく、情熱的な醸造家が丹精込めて造り上げた逸品だけが持つ特別な味の発見を約束します。日本の優雅さとフランスの生活芸術の出会いなのです」。

デュカス・パリのエグゼクティブ・シェフ・ソムリエを務めるジェラール・マルジョン氏は、特徴的な香りについて次のようにコメントする。「非常に複雑で、3段階に分かれて瞬間的に訪れる3つの異なる香りを解き放っています。トップは百合のような花の香り。その次により複雑な果実系のミドルノート、それは白い果肉のバインピーチメロンと白いさくらんぼの香り。そして3番目に香るのは、カルダモンとチリペッパーのタッチが効いた非常に強烈なノート」。

アラン・デュカス

アラン・デュカス氏(右)とジェラール・マルジョン氏(右)。


フランス料理に寄り添う、新たなスパークリング日本酒

「Alain Ducasse Sparkling Sake」は、「ベージュ アラン・デュカス 東京」(銀座)で4月下旬から提供されるのを皮切りに、世界中のデュカス・パリのレストランで乾杯酒として提供を開始。国内では他に「ブノワ」(青山)、「パレスホテル東京」内の「エステール」(丸の内)、「ザ・ホテル青龍 京都清水」内の「ブノワ 京都」(京都)、「ホテル MUNI KYOTO」内の「MUNI ALAIN DUCASSE」(京都)で味わうことができる。

乾杯酒としてはもちろんのこと、フランス料理のコースが進むにつれても、前菜、魚料理、肉料理、デザートに至るまで、しっかりと引き立て合う懐の深さを持ち合わせている。エレガントなフランス料理を楽しむひと時により一層花を添えてくれるだろう。

酒蔵のオンライン通販サイト「七賢 WEB ショップ」ほか伊勢丹新宿店などでも、4月29日(木)より販売をスタート。稀少な1本を自宅でも味わうことができるのは嬉しい限り。また、大切な方への贈り物にも最適だ。

Alain Ducasse Sparkling Sake

「Alain Ducasse Sparkling Sake」は1本(720ml)が5500円(税込み)で販売される。

 味わいの構想を練るにあたって、デュカス氏の心のテロワールである地中海からのインスピレーション、マルジョン氏の描く味わいのディレクションを受け、山梨銘醸の醸造責任者を務める北原亮庫氏が目指したのは“日本らしく世界が納得するお酒”。そのために、製法ではシャンパーニュと同様に瓶内で発酵させるとともに、水の代わりに日本酒を使って贅沢に醸造する「貴醸酒(きじょうしゅ)」という製法を採用し、希少な桜樽で熟成を行うことに。

口当たりは絹のようになめらか。リンゴ酸を主体とする酵母を使用しているため、米由来の旨味と共に果実味のある酸味も感じられるように仕上げている。豊かな瑞々しさをたたえる泡立ちの中にさくらんぼのニュアンスを持つ香りが漂い、樽熟成ならではの淡い苦みを帯びた甘味の波が押し寄せ、穏やかで心地よい余韻をもたらす。根底には“白州の水を体現する酒”という一貫した酒造りの信条がしっかりと宿っている。