ロンジン【2021 新作】1950年代の空気感を伝える「ロンジン シルバーアロー」

2021.05.29

ロンジンが1950年代に発表した「シルバーアロー」を忠実に再現した、新たな復刻モデルが誕生した。当時のモータースポーツ業界を魅了した名車に由来するネーミングで、レーシングカーや超音速旅客機などに人々が熱狂した、活気溢れる時代に生まれたデザインを持つ。

シルバーアロー


半世紀以上前に生まれたデザイン

 ロンジンは2021年の新作として、1950年代に生まれたヘリテージモデル「シルバーアロー」を忠実に再現したモデルを発表した。数々の復刻モデルを手がけるロンジンだが、今回の新作は特に再現度が高く、ダイアルに表示されるのは時・分・秒の3針のみだ。

シルバーアロー

 本作のオリジナルモデルにインスピレーションを与えたのは、当時の活気あふれる未来的な時代背景。多くの人々がレーシングカーや超音速旅客機などに夢中だった1950年代は、次々と新しい技術が生まれ、ポジティブな空気感に包まれていた。

 56年に誕生したシルバーアローのオリジナルモデルは、クラシカルな中にも前衛的なデザインを取り入れ、その名前を決めるため社内公募を行ったという。その結果450以上の応募があり、その内選ばれたひとつの案をベースに名付けられた。シルバーアローというネーミングの由来は、当時のモータースポーツ業界を魅了していた名車のひとつである。

 当時ロンジンのコレクションには、それぞれにモデルを表すエンブレムが与えられており、シルバーアローには超音速旅客機がそのモチーフとなっていた。革新的だったものの象徴をエンブレムに採用したのは、航空学の世界とその先駆者たちへの敬意を表と同時に、ロンジンが大切にしている先進性を示すためである。

驚くべき再現度

 ロンジンがシルバーアローの復刻版を製作したのは、今回が初めてではない。2009年に発表した初めての復刻版では、実用性を考えてオリジナルモデルには無いデイト表示を設け、ブランドロゴの下の部分に「Automatic」表記があった。それに対し、今回発表された“新生”シルバーアローでは、オリジナルを忠実に再現するためその表記と日付窓をなくすことで、極限まで再現度を高めた。

シルバーアロー

ロンジン「ロンジン シルバーアロー」
自動巻き(Cal.L888.5)。21石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約72時間。SS(直径38.5mm)。30m防水。26万4000円(税込み)。

 現行品のメンズモデルでは数少ない、直径38.5mmという控えめなサイズも、当時の雰囲気を色濃く残す。すっきりとしたシルバーカラーのオパーリンダイアルは、オリジナル同様、複数の段差を設けたストライプ型のインデックスと剣型の針が配置され、明るい場所では目立たないが、その双方にスーパールミノバが塗布されている。ボックス型の風防には、高い硬度を持つサファイアクリスタルが使用され、その表面には視認性を高めるために多層反射防止仕上げが施されている。

 クラシックな外観ながら、新しい技術を惜しみなく投入しているのは外装だけではない。本作が搭載しているのはロンジン専用のキャリバーL888.5で、シリコン製のヒゲゼンマイと、約72時間のパワーリザーブを有しているのが特徴だ。普段使いする上で頼りになる駆動時間を持ち、高い精度と磁気に耐性があるこのキャリバーは、現代の生活に求められる性能の多くを満たす。加えてロンジンの時計には5年間の保証が付いているため、万が一の際でも安心だ。

シルバーアロー

ソリッドバックの裏蓋には、オリジナルモデルから継承するエンブレムである超音速旅客機が描かれている。裏蓋を開閉するために設けられた窪みの位置もオリジナルもままだ。


Contact info: ロンジン Tel.03-6254-7350


2021年 ロンジンの新作時計まとめ

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ロンジンの歴史を現代に伝える、ヘリテージコレクションの探求(前編)

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ロンジンの歴史を現代に伝える、ヘリテージコレクションの探求(後編)

https://www.webchronos.net/features/64587/