「プロジェクト Z10」を鮮やかにアレンジした、ハリー・ウィンストン「ザリウム バリエーション」

ハリー・ウィンストンから、2016年発表の「プロジェクト Z10」を再解釈した「ザリウム バリエーション」が誕生。鮮やかなオレンジとイエローをまとって新たに登場した。マンハッタン・ブリッジに着想を得たデザインで、特殊合金ザリウムをケースに採用する。それぞれ世界限定100本で、2021年8月より発売される予定だ。

活気あふれるニューヨークの風景

　ハリー・ウィンストンのスポーツウォッチであるHW オーシャン・コレクションから「ザリウム バリエーション」が登場した。これらふたつのモデルは、2016年に発表された「プロジェクト Z10」のデザインを再解釈したものである。ブランドカラーの濃いブルーを基調としていたオリジナルモデルには、オレンジとイエローの鮮やかな色によってアレンジが加えられ、夏らしい印象に仕上がった。

　今作のデザインは、マンハッタン・ブリッジに取り入れられた柱や吊りケーブル、骨組みが剥き出しになったタワー部分などのシルエットからインスパイアされている。オフセンターされたダイアル中央部は網状になっており、各表示間を支えるブリッジはトラス構造の立脚部分のようだ。

　時分表示に加え、下部にはふたつのレトログラード機構をレイアウトし、左下には秒針、右下は曜日を表示。時間が進むにつれて針の先端が120°の軌道をたどり、反時計回りにジャンプして瞬時に元の位置に戻る。また日付は6時位置の窓で表示し、バランスが取れたシンメトリーなデザインを採用する。

　オープンワークを施したダイアルのベースカラーはブラックで、2本のブリッジやミニッツトラックにオレンジやイエローを取り入れた。スポーティなイメージに合わせ、時分針、インデックス、12時位置に配されたブランドロゴには蓄光塗料が塗布され、暗所での視認性も確保している。

革新性を高めるケース素材

　マンハッタン・ブリッジの設計者が、当時珍しかった鋼などの素材を橋の建設に使用したように、ハリー・ウィンストンは宇宙工学の分野で使用される、革新的な素材である「ザリウム」をケースの素材として採用した。2004年に誕生した「プロジェクト Z」シリーズのすべてのモデルに使用されているこの素材は、ジルコニウムをベースとした特殊な合金だ。

　軽量で耐酸性、耐腐食性に優れ、アレルギーを引き起こしにくいため人の肌にも優しいという特性を持っている。剛性が高いため切削加工が難しいとされているが、優れた加工技術によってHW オーシャン・コレクションの複雑なケース形状を実現している。ケース全面にサテン仕上げを施すことで、よりスポーティに仕上げられた。

　また両開き式のバックルも、ケース同様にザリウム製だ。

ダイアルからも垣間見える装飾美

　オープンワークが施されたダイアルと、トランスパレント仕様のケースバックからは、自動巻きムーブメントCal.HW3305を眺めることができる。約65時間のパワーリザーブを備え、312個ものパーツから構成されている。18Kホワイトゴールド製のローターで巻き上げ効率を上げ、シリコン製のヒゲゼンマイで耐磁性を高めた。

　ブリッジには円を描くようなサーキュラー・コート・ド・ジュネーブを、ダイアル側のプレートには繊細なスネイル仕上げを施し、高級機らしい伝統的な装飾が与えられている。