新興フレンチブランド、Trilobe(トリローブ)が本年度のオンリーウォッチに出品する新作「La Réciproque(相反)」を発表。製作されたのは腕時計ではなく1点もののクロックで、フランス人アーティスト、ダニエル・ビュレンが外装のデザインを手掛けた。
3つのリングで時刻を示す独創的なクロック
Trilobe(トリローブ)は隔年開催のチャリティオークション「オンリーウォッチ」に出品するユニークピース「La Réciproque(相反)」を発表した。Trilobe(トリローブ)とは、ゴーティエ・マソノーが2018年に設立したばかりの、フランスの新興ブランドである。
“時間を解放する”というコンセプトを掲げ、常識にとらわれない時間表示を取り入れた作品を製作。代表作の「レ・マティノー」は、反時計方向に回転する3つのリングと、ブランドアイコンの「三つ葉」が現在時刻を指す。デザイン性に優れるうえ、専用のムーブメント持つ本作は、時計愛好家から密かな注目を集めている。
手巻き(Cal.D-セントリック)。19石。1万8000振動/時。パワーリザーブ約192時間(約8日間)。アルミニウム製のフレーム(縦30cm×横30cm、厚さ5.15cm)。ユニークピース(オンリーウォッチ出品モデル)。落札予想価格3万5000〜4万5000スイスフラン。
そんな「レ・マティノー」のダイアルデザインをそのままクロックに採用したのが、今回発表された新作「La Réciproque(相反)」だ。同様にオフセットされた時・分・秒の3つのリングが、三つ葉のマークとともに現在時刻を示す。
1台のみが製作されるこの独創的なクロックは、世界的なフランス人のコンセプチュアルアーティスト、ダニエル・ビュレンとのコラボレーションによって生まれた。名前のとおり「相反」をテーマとし、クロック全体にブラックとホワイトのストライプ模様が施されている。
この模様は回転するリングにもあるため、時間経過とともにさまざまな表情を見せる。1日に2回、完全なストライプが現れるのは2時13分。これは、Trilobe(トリローブ)とダニエル・ビュレンが初めて出会った時刻という意味合いを持つ。
独創的な動きを生む真紅のムーブメント
「レ・マティノー」搭載のCal.X-セントリックに代わり、本作にはクロック専用のムーブメントCal.D-セントリックが搭載されている。スイスのヴォー州にあるクロックメーカーによって、数ヶ月の歳月をかけて製作された。
クロックならではの広い空間を生かした設計で、Trilobe(トリローブ)のデザインコードとダニエル・ビュレンの芸術的な観点が調和。多くのパーツがレッドカラーでコーティングされているのが独特だ。美しい仕上げを施したD-セントリックは、ガラスを設けた裏側から鑑賞することができる。
外観の特徴だけではなく、機能的にも珍しい仕様である。並列に香箱をふたつ持つことは外からもはっきりと見ることができ、約8日間のパワーリザーブを保持。加えて、定力装着であるコンスタントフォース機構を搭載。ゼンマイから伝わるトルクを安定させることで、より正確に時を刻む。
出品される作品の中でも異彩を放つクロック「La Réciproque(相反)」。落札予想価格は3万5000~4万5000スイスフランとなっているが、果たして誰の手に渡るのだろうか。
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