世界最大の高級時計専門オンラインマーケットプレイス「Chrono24」、主要モデルの市場価格の増減を公表

高級時計の市場価格が全体的に上昇傾向にある中、本社をドイツに置く世界最大級の高級時計マーケットプレイス「Chrono24（クロノ24）」では定期的に供給数や需要による各種モデルの価格増減を発表している。

データで見る腕時計の市場価格傾向

　世界的に見ても高級時計の市場価格は上昇を続けているが、各種モデルの価格は増減が確認できる。例えば、パテック・フィリップの「ノーチラス」5711Aや、ロレックスの「コスモグラフ デイトナ」などの供給が増加した影響で個々の時計の価格が低下している。

　ここ数年の需要のヒートアップ状態に対して、供給側も生産の勢いを高めた結果、これらの人気が集中した一部モデルでは一時期より価格が低下しているものの、高級時計全体の価格が上昇傾向にある中ではここ数年の水準ははるかに上回っている。

　ノーチラス　5711Aの新品価格はおよそ3万5000ドルであるが、現在の取引価格は19万ドル前後で、これは定価の5倍以上となっている。2022年の第一四半期には最高24万ドルで販売されていたことを考えると、今回の価格定価により、これらの超人気モデルの個々の価格は均質的な価格での取引に（それが適正価格かどうかは別として）戻ってきていると言える。

　人気が集中したロレックスのコスモグラフ デイトナ、サブマリーナ、パテック フィリップのノーチラス、オーデマ ピゲのロイヤル オークなどのモデルがここ数ヶ月で不足したことにより、ジラール・ペルゴやオメガといった他のブランドへもコレクターの目が向けられるようになった。

　カルティエとブライトリングの時計も価格と需要が大幅に上昇している。また、H.モーザーやチャペックなどの小規模な独立系ブランドに対する需要も増加している。

　Chrono24のCEOを務めるティム・シュトラッケは、このような傾向について次のように述べた。

「現在の価格動向は、時計市場に参入する良い機会となる可能性がある。ここ数カ月、特に特定ブランドのモデルの価格が大幅に上昇している一方、それらモデルに類似した時計（例えば、ムーンフェイズを搭載したパテックフィリップ ノーチラス 5712/1Aはそれに比べて価値の伸びが非常に小さくなっています。この点で、モデルシリーズ内の価格の調整と均質化も現在行われています」。

　一部モデルで価格が低下している中、Chrono24では、高級時計全体の価格上昇傾向と販売増により、上半期の取引量は前年同期比50%以上と大幅に増加した。高級時計市場は全般的に成長を続けており、Chrono24は今年下半期のさらなる売り上げ増を見込んでいる状況だ。

「時計は非常にグローバルなもの。ニューヨークでもパリでも東京でも同じ言語として語れる。他にそういうものは少ないだろう。」と語るウェブクロノスでの過去のインタビュー記事（https://www.webchronos.net/features/59929/）もご覧いただきたい。

日本語にも対応している「Chrono24」とは

　100カ国以上から3000以上の販売業者、ならびに3万人以上の個人販売者によりおよそ50万点の時計が出品される高級時計専門のオンラインマーケットプレイスへの毎月のサイト訪問者数は約900万人だという。（2021年12月）

　新品からアンティークまでを網羅し、全ての時計愛好家が安心して購入・販売を行えるように国境を越えたサポートチームが日本語を含む15言語対応でメールと電話のサポートを提供している。ちなみにChrono24ジャパンにはインスタグラムアカウントも存在し、#chrono24japan を付けて自身の腕時計を投稿することもできる。