フランク ミュラー、時の概念を覆す「ヴァンガード クレイジー アワーズ」の限定モデルを発売

特異な機構によって衝撃を与えたフランク ミュラーの「クレイジー アワーズ」から限定モデルが新たに登場した。インデックスにダイヤモンドを配した黒文字盤モデルと、数字に鏡面仕上げを施した白文字盤モデルの2本だ。

フランク ミュラーの象徴ともいえる存在「クレイジー アワーズ」

「時間は流れるものではなく、飛び越えるもの」という哲学的なメッセージが込められた「クレイジー アワーズ」が初めて世の中に発表されたのは2003年のことである。

　従来の時刻表示のルールを無視したランダムに配置されたインデックスは強烈な印象を与えた。正時を迎えるたびに時針がジャンプするような動きを見せる。

　時刻を知るという目的の視点でいうと、慣れるまで少し戸惑うかもしれないが、ジャンピングアワーの機構を毎時間楽しめるという意味では、時計愛好家にとってはたまらない作品である。

“マスター オブ コンプリケーション”として時計技術の限界に挑戦してきたフランク ミュラーは、このクレイジー アワーズ以降、時間の表現において新しい魅力を提案する“時の哲学者”としての地位を盤石なものにした。

　今回発表される2本はランダムなインデックスにダイヤモンドを配した黒文字盤バージョンと、立体的に切り立たせた数字に鏡面仕上げを施した清々しい白文字盤となっている。

　前述のとおり、「クレイジー アワーズ」の魅力は時針がジャンプして動く機構にある。この際に強烈な負荷がかかることから、時計づくりにおいても卓越した技術力が要される。

　さらに、この時計で時間を見る際にはじっくりと文字盤を見つめる必要がある。文字盤を見る頻度と時間が高まることを想定し、フランク ミュラーはギョーシェと隠し数字による個性溢れる文字盤を作りあげた。

　それから本作が属する「ヴァンガード」シリーズはフランク ミュラーの中でも新しいコレクションだ。2014年に発表され、「先駆者」という意味のヴァンガードと名付けられた。

　ラグを廃したブレスレット一体型のケースが特徴で横方向の丸みが強調された分厚いデザインとなっている。従来のビザン数字ではなく、ヴァンガードのために新たにデザインされた直線的な数字が採用されている。

　またレディースラインの「ヴァンガード レディ」にもオリジナルの数字が採用されているが、この数字はメンズラインのヴァンガードだけのものであることも興味深い。ドレスウォッチとはいえ、スポーティーでカジュアルな雰囲気を持つ時計であり、既成概念にとらわれない自由な雰囲気を演出することができそうだ。