時計業界にはじわじわと低価格化の波が押し寄せてきているが、ムーブメントに関してはより高性能、多機能な新型ムーブメントの開発が加速している。甲乙つけがたい個性的なムーブメントが揃ったためか、今回は11本のモデルがランクインした。

 

1位 70point / 4persons

シャネル / 「ムッシュー ドゥ シャネル」

Photo:「ムッシュー ドゥ シャネル」。手巻き。18Kベージュゴールド。395万円。問シャネル(時計・宝飾)☎0120-159-559

●シャネル初の自社ムーブメントは、「デザインが機能を生む」もアリなんだと思わせた。次作以降の展開に期待が高まる。(菅原)
●ムーブメントの随所にアイコニックなディテールをちりばめた美観もさることながら、ジャンピングアワーとレトログラードミニッツとを同期させるメカニズムが極めて合理的で賢い。(高木)



2位 57point / 4persons

ブライトリング / 「スーパーオーシャン ヘリテージ クロノワークス」

Photo:「スーパーオーシャン ヘリテージ クロノワークス」。自動巻き。セラミックス。予価463万円。問ブライトリング・ジャパン ☎03-3436-0011

●搭載されるCal.01 クロノワークスは、社内の特別チームが手がけた初の製品。自社製の「Cal.01」を大胆にモディファイし、セラミック製地板と受け、シリコン製脱進機など5つの技術革新を実現。まだ高価だが一般モデルに導入される日を待ちたいね。(名畑)
●セラミックスの地板と受け、シリコン製歯車を大胆に導入してキャリバー01を大幅にチューンアップ。ムーブメントの素材革命がまた一歩前進した。(菅原)


3位 49point / 4persons

グラスヒュッテ・オリジナル / 「セネタ・エクセレンス」

Photo:「セネタ・エクセレンス」。自動巻き。SS。予価102万円。問グラスヒュッテ・オリジナル ブティック銀座 ☎03-6254-7266

●搭載されるCal.36は同社の新しい基幹キャリバー。シリコン製ヒゲゼンマイのフリースプラングだが、同社の象徴であるスワンネックを残したのが面白い。ムーブメントの固定がバヨネット方式で、耐衝撃性を持たせている点にも注目。(名畑)
●新規開発のキャリバー36は、地味だが、基礎体力の高さが際立っている。約100時間のパワーリザーブに、シリコン製のヒゲゼンマイ、そしてフリースプラングという組み合わせは、現行品でも第一級である。ローター音はやや過大だが、それ以外の感触も申し分ない。(広田)


4位 38point / 4persons

シチズン / 「エコ・ドライブ ワン」

Photo:「エコ・ドライブ ワン」。クォーツ。サーメット。世界限定800本。予価70万円。問シチズンお客様時計相談室 ☎0120-78-4807

●シチズン渾身の傑作。外野から見ると迷いの多いシチズンだが、方向性が定まった時のパフォーマンスは圧倒的だ。薄さだけでなく、時計としてのまとまりも秀逸である。数ミクロンの調整を重ねて作り上げたムーブメントの設計も類を見ない。(広田)