高い防水性や視認性が、ダイビング中に限らず、日常使いにも重宝されるダイバーズウォッチ。オールシーズンで人気のジャンルとあって、各社から多彩なバリエーションが展開されている。今回のTop10ランキングは、ダイバーズウォッチをお題に選出した。ISO規格に準拠した本格ダイバーズに限らず、いわゆる陸ダイバーと呼ばれるダイバーズウォッチテイストのモデルも含め、幅広く選定。名作が多く票を分けたが、1位はチューダー ブラックベイだった。
2024年3月6日更新
「最旬」ダイバーズウォッチ
10位 ラドー/キャプテン クック全般
13point / 2persons
ラドーが得意とするプラズマハイテクセラミックスを外装に採用したダイバーズウォッチ。ローズゴールドカラーのベゼルやインデックスが、華やかな印象をもたらしている。ダイアルからは、幾何学的なオープンワークが施されたムーブメントの地板がのぞき、デザイン性も高められている。耐磁性に優れたニヴァクロン製ヒゲゼンマイを備えたムーブメントは、約80時間のロングパワーリザーブを誇る。自動巻き(Cal.R808)。25石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約80時間。ハイテクセラミックケース(直径43mm、厚さ14.6mm)。300m防水。69万6300円(税込み)。(問)ラドー/スウォッチグループ ジャパン 03-6254-7330
●ラドーというと超硬やセラミックスなどハイテクなイメージが強いが、その先端素材と伝統のダイバーズを見事に融合させ、グレー×ゴールドのオシャレさまで獲得したのが、このモデル。ウルトラモダンでスタイリッシュ。(名畑)
9位 ブランパン/フィフティ ファゾムス オートマティック
19point / 2persons
1953年に登場した初代「フィフティファゾムス」のデザインコードを盛り込みつつ、現代的なスペックを与えられたモデル。立体的なサファイアクリスタルに覆われた、逆回転防止ベゼルが特徴だ。取り回しやすく耐食性の高いチタン製のケースに、爽やかなブルーダイアルを組み合わせている。搭載するCal.1315は、耐磁性に優れたシリコン製ヒゲゼンマイを採用し、約120時間ものパワーリザーブを備えている。自動巻き(Cal.1315)。35石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約120時間。Tiケース(直径45mm、厚さ15.4mm)。30気圧防水。251万9000円(税込み)。(問)ブランパン ブティック銀座 Tel.03-6254-7233
●「フィフティ ファゾムス」はどのモデルも魅力的だが、特にブルーのダイアルとベゼルをマッチさせたこのモデルは秀逸。また、ナイロンのNATOストラップを高級ブランドで初めて採用した功績も忘れてはならない。(名畑)
8位 ブランパン/フィフティ ファゾムス バチスカーフ
26point / 2persons
コンパクトな38mmケースの「フィフティ ファゾムス バチスカーフ」。薄型の自動巻きムーブメントを搭載することで、ケースの厚みも抑えられている。ダイバーズウォッチとして優れた防水性を備えるだけではなく、サンレイ仕上げのメテオグレーカラーダイアルや控えめなインデックスによって、上品さをも兼ね備えている。自動巻き(Cal.1150)。28石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約100時間。SSケース(直径38mm、厚さ10.8mm)。300m防水。151万8000円(税込み)。(問)ブランパン ブティック銀座 Tel.03-6254-7233
●30気圧の本格防水、いい感じのヴィンテージデザイン、そして日常的に着けやすい38mmケース、いいところづくし。(菅原)
●ダイバーズウォッチのスタイルを確立したフィフティ ファゾムスは、今回のお題では外せない1本。1956年モデルに範を取るバチスカーフのデザインが、個人的な好みに合う。(髙木)
7位 ブランパン/フィフティ ファゾムス テック ゴンベッサ
26point / 2persons
モダンダイバーズウォッチの祖として知られる、ブランパン「フィフティファゾムス」の70周年記念モデル。副時針とベゼルを組み合わせることで、潜水時間を最長3時間まで計測することができる。ケースは、高い強度と抗アレルギー性を備えるグレード23チタン製。10時位置にヘリウムエスケープバルブを配し、飽和潜水にも対応する。自動巻き(Cal.13P8)。35石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約120時間。Tiケース(直径47mm、厚さ14.81mm)。300m防水。425万7000円(税込み)。(問)ブランパン ブティック銀座 Tel.03-6254-7233
●モダンダイバーズウォッチの祖であるブランパンが今年発表した本作は、3時間計測ができるギミックを持つ。これは長時間潜水が可能になったことに併せて生まれた機能だが、他にないベゼル表記がデザイン上のアクセントにもなっている。(安藤)
6位 ロンジン/ロンジン レジェンドダイバー全般
27point / 2persons
回転式のインナーベゼルと細身のラグがエレガントな印象をもたらす、「ロンジン レジェンドダイバー」。1959年に登場した「Ref.7042」をルーツに持つ、ロンジンのアイコニックピースだ。コンパクトな36mmケースモデルは、男女問わず使いやすく、ビジネスシーンにも違和感なく溶け込む。ダイアルカラーやケース素材、ベルト等、豊富なバリエーションが用意されているのも魅力のひとつ。自動巻き(Cal.L592)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約45時間。SSケース(直径36mm、厚さ11.9mm)。30気圧防水。38万8300円(税込み)。(問)ロンジン Tel.03-6254-7350
●復刻モデルが登場した当初は日付なしだったのが、いつの間にか日付ありに変更されてしまった。しかし、ブロンズモデルは現行品では唯一の日付なしということでおすすめ。今後の展開が楽しみなコレクション。(名畑)
5位 ジン/T50
28point / 2persons
ジンが開発した新素材、ゴールドブロンズ125を採用したダイバーズウォッチ。銅と錫、ゴールドを混合することで、海水への耐食性と抗アレルギー性を高めている。手作業によるスクラッチ加工が施されたダイアルは、ひとつひとつ異なる表情を持つ。特殊結合方式を採用した逆回転防止ベゼルは、強い衝撃がかかっても外れない構造となっている。自動巻き(Cal.SW300-1)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。ゴールドブロンズ125ケース(直径41mm、厚さ12.3mm)。50気圧防水。118万8000円(税込み)。(問)ホッタ Tel.03-5148-2174
●500m防水の本格派ダイバーズに新開発のブロンズとゴールドの合金によるケース、手作業でスクラッチ加工を施したダイアルを導入し新境地を開拓。(菅原)
●筆者は長年、小ぶりなU200のファンだった。生産中止となった今、それに代わるのはT50しかない。筆者は軽いチタンを推す。テギメント加工を施したベゼルも◎だ。(広田)
4位 セイコー/プロスペックス マリンマスター プロフェッショナル
32point / 2persons
外胴プロテクターを装着した姿から“ツナ缶”とも呼ばれる、セイコーを代表するダイバーズウォッチ。1000m飽和潜水用防水を備える屈強なケースは、軽量なチタンを採用することで、装着時の負担を軽減させている。搭載するCal.8L35は、ダイバーズウォッチ専用に耐衝撃性を高めた、ハイエンドな自動巻きムーブメントだ。自動巻き(Cal.8L35)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約50時間。Tiケース(直径52.4mm、厚さ17.4mm)。1000m防水。49万5000円(税込み)。(問)セイコーウオッチお客様相談室 Tel.0120-061-012
●歴史的モデルですが、その斬新さは色褪せない。(篠田)
●セイコーの「ツナ缶」は、スペックに振り切ったダイバーズウォッチの理想型だろう。近年のモデルは、高級とは違うが、明らかに上質になった。もっと注目されていいコレクションだ。(広田)
3位 ベル&ロス/BR 03-92 ダイバー
35point / 4persons
ベル&ロスのアイコンであるスクエアケースを採用した、ISO6425規格を満たす本格ダイバーズウォッチ。一般的に防水性を高めることが難しいとされるスクエアケースだが、本作は300mもの防水性を達成している。ケース素材には、耐傷性と審美性に優れるブラックセラミックスを採用。ブラックのラバーとシンセティックファブリックを組み合わせたストラップを装着しており、快適な装着感を叶えている。自動巻き(Cal.BR-CAL.302)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約40時間。セラミックケース(縦42×横42mm)。300m防水。64万9000円(税込み)。(問)ベル&ロス 銀座ブティック Tel.03-6264-3989
●異色の角型ダイバーズで不動の人気を築くこのモデルは、300m防水でISO 6425規格準拠。だが、シティダイバーズとして断然かっこ良し!(菅原)
2位 ロレックス/オイスター パーペチュアル サブマリーナー
39point / 3persons
基本的なデザインを初代モデルから大きく変えず、着実な進化を重ねてきた「オイスター パーペチュアル サブマリーナー」。2020年には直径をわずかに拡大し、最新の3200系ムーブメントの搭載を果たした。高い耐食性を持つ904Lステンレススティールや、耐候性に優れたセラクロム製ベゼルインサートを用いた頑強な外装と、高精度なムーブメントは、プロフェッショナルからも厚い信頼を寄せられている。自動巻き(Cal.3230)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径41mm)。300m防水。
●変わらぬデザインと、絶えず進化する性能。他の追随を許さない、絶対王者にしてオールラウンダー。(菅原)
●これぞダイバーズウォッチの標準原器。時代を経て素材も細部のデザインも機能もアップデートされているけど、確かな存在感と機能美は今も健在。(名畑)
1位 チューダー/ブラックベイ全般
57point / 4persons
1954年に発表された「Ref.7922」にオマージュを捧げる、「ブラックベイ」コレクションの2023年新作。直径37mmのケースとリベット風のブレスレット、針やインデックスに与えられたゴールドカラーの縁取りが、オリジナルモデルをほうふつとさせる。ブレスレットには、チューダー独自の微調整機構、“T-fit”が搭載されている。自動巻き(Cal.MT5400)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径37mm、厚さ11.24mm)。200m防水。54万6700円(税込み)。(問)日本ロレックス / チューダー Tel.0120-929-570
●同ブランドのダイバーズウォッチの原点である1954年モデルのデザインをベースに現代によみがえらせた1本。37mmのコンパクトなケースはまさに今の気分。ブレスレットは簡単に長さの微調整ができるギミックが搭載されており、1日のうちの腕の太さの小さな変化にも対応できる。この機能は想像以上に良い。(安藤)
●ブロンズ製のケース&ブレスレットもブラウングラデーションのダイアルも、すべてが好みにドンズバのモデル。欲しい欲しいと思いつつ、なかなか入手できない(しない?)のはなぜだ?(名畑)