かつて使用シーンやスタイルが限定的だったドレスウォッチ。時代は変わり、時計ユーザーのニーズが多様化するにつれて、各社からさまざまなドレスウォッチが展開されるようになった。そこで今回は、限られたシーンに留まらず、日常生活で装うことのできるドレスウォッチをランキングのお題とした。選考の条件として「過度に稀少ではない」「日常で使える防水性」「11mm以下のケース厚」「約2日以上のパワーリザーブ」「優れた視認性」を設けている。
毎日を装うドレスウォッチ
10位 IWC/ポートフィノ オートマティック
17point / 2persons
●ユニセックスとしてもふさわしい、最近のレディースモデルにおける大径化を語る絶妙なサイズ感。ポイントダイヤモンドモデルなどは男性も衒いなく着けられるのでは。5気圧防水かつパワーリザーブ約120時間という使い勝手の良さも実に良い。(野上)
●優しいニュアンスのケースフォルムは、毎日に彩りを与える。(篠田)
9位 ゼニス/エリート クラシック
19point / 2persons
●ダイアル表現も凝っており、手元が華やぐ。(篠田)
●ゼニスのエリートといえばドレスウォッチのコレクションだが、5気圧防水で約50時間のパワーリザーブを確保したのは日常使いを考えたからだろう。ただ、以前あった日付なしの「ウルトラシン」を復活させてほしい。(名畑)
8位 ブレゲ/クラシック 5177
20point / 2persons
●ベゼルやラグを細くし、繊細さを際立たせる一方、ブレゲらしい深いブルーのグラン・フーエナメルを文字盤に採用することで、印象的な1本に。基本がシンプルなので、ブレゲ針やインデックスのフォントなども存在感十分。2針の5157も押したいが、パワーリザーブが今回の基準に足りなかった。(安藤)
7位 パルミジャーニ・フルリエ/トンダ PF
27point / 2persons
●「トンダ PF オートマティック」と迷ったが、一見シンプルなドレスウォッチに見えるのに、という意外性の意味から新機構搭載のこちらに。ミニマムな造形美と非常に美しい仕上げが、ドレスウォッチに求められるエレガンスを語るにもふさわしく。(野上)
6位 カルティエ/タンク マスト
31point / 2persons
●「ドレスウォッチ」としてはずせない名作。この永遠不滅のフォルムがあればムーブメントはクォーツで十分満足ではないだろうか? 秒針も日付もない2針仕様というのもドレスウォッチの本道である。(名畑)
5位 クレドール/マスターピースコレクション 叡智Ⅱ
34point / 2persons
●手書きインデックスが印象的な磁器ダイアルにハンドフィニッシュのゴールドケース、トルクリターンシステムを採用したスプリングドライブCal.7R14を搭載と、日本の美意識とハイテクを見事にまとめた1本。本来はもう少し上位にしたいところだが、3針なので控えめの順位に。Cal.68系搭載の「ゴールドフェザー」も加わり、この分野でのクレドールの存在感はさらに高まりそう。(安藤)
4位 ショパール/L.U.C 1860
36point / 2persons
●「L.U.C」最初期に通じるヴィンテージルックにC.O.S.C.認定クロノメーターおよびジュネーブ・シールの品質証明取得、約65時間パワーリザーブの超薄型L.U.C 96.40-Lを搭載。言うことなし!(菅原)
3位 ロレックス/パーペチュアル 1908
42point / 3persons
●程よい39mm径、10mmを切る薄型で約66時間パワーリザーブの自動巻き、スモールセコンドとブレゲ針を採用するヴィンテージルックなど、条件を満たす最高のモデルだ。欲しい!(菅原)
2位 ロンジン/ロンジン マスターコレクション
54point / 5persons
●ヴィンテージな味があるが復刻版ではなく、ヴィンテージな要素を巧みなアレンジで美しいタイムピースへと昇華させた名作。コッパー色のアラビア数字彫り込み文字盤など細かな作り込みも見事。(名畑)
●新旧のディテールをうまくミックスさせた傑作。広い見返しという今のデザイン要素をクラシカルなスモールセコンドと巧みに合わせている。ありそうでなかったドレスウォッチ。シリコン製ヒゲゼンマイとフリースプラングテンプの組み合わせもかなり実用的だ。(広田)
1位 オーデマ ピゲ/CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック
57point / 4persons
●CODE 11.59初のSSモデルは、複雑なケース構造ながら10.7mmの厚さをキープ。約70時間パワーリザーブやバーインデックスによって向上した視認性も見どころ。スポーティードレスの新時代の代表格。(菅原)
●シンプル顔なのでドレッシーに装える。(篠田)