時計ランキング/多様化を推し進めるカーブドサファイア

2017.11.20

篠田哲生(41歳) 嗜好品ライター

「風防ガラスがデザインを締める」
ドーム型、あるいはボックス型のサファイアクリスタル風防をピックアップするということは、とりもなおさず、復刻モデルを選ぶということになるだろう。今年は例年以上に復刻モデルが豊作だったが、結局はオメガとグランドセイコーが主役だったように思える。ということで、そのブランドを中心に選出している。

1 オメガ/“オメガ 1957 トリロジー” レイルマスター マスター クロノメーター 60周年リミテッド エディション
2 グランドセイコー/初代グランドセイコー リミテッドコレクション2017「復刻デザイン」
3 オメガ/“オメガ 1957 トリロジー” シーマスター 300 マスター クロノメーター 60周年リミテッド エディション
4 セイコー/プロスペックス ダイバースキューバ ヒストリカルコレクション 国産ファーストダイバーズ 復刻デザイン
5 オメガ/“オメガ 1957 トリロジー” スピードマスター 60周年リミテッド エディション
6 タグ・ホイヤー/オウタヴィア ホイヤー02 クロノグラフ
7 パテック フィリップ/永久カレンダー Ref.5320
8 ゼニス/エリート クラシック
9 ハミルトン/イントラマティック

10 ラドー/ハイパークローム キャプテン クック


髙木教雄(51歳) ライター

「デザイン性 vs. 機能性」
サファイアクリスタル風防をドーム型やボックス型に設えるのは、ヴィンテージ感を高めるための常套手段だ。セイコーやラドーの復刻モデルはその代表で、プラスティック製風防当時の“歪み”まで再現しているのが興味深い。またボヴェやジェイコブは、超複雑機構を収めるためのボックス型であり、硬質素材の特性が十二分に活かされている。

1 ボヴェ/リサイタル20 アステリウム
2 パテック フィリップ/永久カレンダーRef.5320
3 セイコー/プロスペックス ダイバースキューバ ヒストリカルコレクション 国産ファーストダイバーズ 復刻デザイン
4 ジェイコブ/オペラ by JACOB & CO.
5 ラドー/ハイパークローム キャプテン クック
6 ブランパン/フィフティ ファゾムス オートマティック
7 ロンジン/フラッグシップ ヘリテージ – 60周年記念モデル 1957-2017
8 オリス/ビッグクラウン 1917 リミテッドエディション
9 ジャガー・ルクルト/マスター・コントロール・デイト
10 ベル&ロス/BR V2-94 アエロナバル


広田雅将(42歳) 『クロノス日本版』編集長兼アートソルジャー

「ドーム型風防は複雑時計再興の起爆剤となる」
長年、アンティーク調の時計に採用されてきた立体的な風防。しかし今年の新作を見る限り、各社はこの風防を用いて、複雑時計により多くの機能を盛り込もうと試みている。好例は、ジャケ・ドローの「ラヴィング・バタフライ・オートマトン」だろう。ドーム型風防なしでは実現できなかったモデルだ。

1 オメガ/スピードマスター レーシング マスター クロノメーター
2 ジャケ・ドロー/ラヴィング・バタフライ・オートマトン
3 MB&F/オロロジカル マシン №7 アクアポッド
4 ジラール・ペルゴ/ネオ・ブリッジ
5 ジェイコブ/アストロノミア オクトパス
6 ボヴェ/リサイタル20 アステリウム
7 IWC/ダ・ヴィンチ・パーペチュアル・カレンダー・クロノグラフ
8 パテック フィリップ/永久カレンダー Ref.5320
9 シチズン/エコ・ドライブ Bluetooth
10 セイコー/プロスペックス ダイバースキューバ ヒストリカルコレクション 国産ファーストダイバーズ 復刻デザイン


ランキングの集計ルール
●選考委員は、各号のテーマに沿った腕時計を10本選び、順位をつける。 ●選考委員ひとりあたりの所持ポイントを110点とし、これを1位20点、2位18点…… 10位2点として選考モデルに振り分ける。 ●選考された時計が順位無しの場合は、所持ポイントを10等分して、各モデルに11点を与える(選考本数が10本に満たない場合でも、1モデルあたり11点とする)。 ●獲得点数が同点となった場合は、選考者数の多いモデル、その中で選考順位の高いモデルの順で優位とする。 ●最低有効得票数を2票とする。※パネライはディストリビューターの都合により、得票があった場合でも順位に含まれません。