ETA2010年問題を契機に、腕に覚えがある時計メーカーはインハウスムーブメントの開発を推し進めた。結果、今や時計業界にはかつてなかったほど良質な自社開発ムーブメントがもたらされた。そんな中、ETAによるエボーシュ供給義務の猶予期間は2020年1月1日に終了した。というわけで今回は現状のインハウスムーブメント事情をおさらいすべく、「自社開発ムーブメント」「現行機」というお題でアンケートを集計した。結果は百花繚乱のインハウスムーブメント時代だけあり、かなり票が割れ、8本のみが選出となった。
インハウスムーブメント最前線
8位 ゼニス/デファイ インベンター
4point / 2persons
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●こちらはやはり外せない1本。見ていても楽しく、革新的なオシレーターの量産化にドラマを感じたりと、未来への希望感満載の、高揚感にあふれた時計。(野上)
7位 シチズン/ザ・シチズン キャリバー0100搭載モデル
22point / 3persons
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●やや番外編的ではあるが、腕時計でこの精度(年差±1秒)の実現は素晴らしい。時計は精度が命、という面もある(それだけではないが)。技術と実行力に拍手。(K1H)
6位 チューダー/MT56系ムーブメント搭載機 全般
23point / 2persons
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●ロレックスの弟分というイメージがぬぐえなかったチューダーだが、マニュファクチュールキャリバーの搭載で独立性を確立し魅力が倍増。外装も良いがムーブメントも素晴らしくコストパフォーマンスは極めて高い。(名畑)
5位 グランドセイコー/9S6系ムーブメント搭載機 全般
27point / 2persons
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●久々に手巻きが復活、しかもスモールセコンド、パワーリザーブ表示付き。通には大いに魅力的だろう。(菅原)
4位 ブルガリ/オクト フィニッシモ クロノグラフ GMT オートマティック
32point / 2persons
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●自動巻き式の利便性と薄型化、そして多機能性の全てを満たすためにペリフェラルローターを採用。戦略性が光る時計だ。(篠田)
●極薄にもかかわらず、優れた感触を持つ自動巻きクロノグラフ。設計の良さが感触として実感できるという点で、現行品の中でも際立った存在だ。(広田)
3位 オメガ/マスター クロノメーター ムーブメント 搭載機 全般
34point / 2persons
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●高精度や耐磁性能で群を抜く自社ムーブメントは、万人向けの良品。(菅原)
●超耐磁性能を持つムーブメント。パワーリザーブはやや短いが、高い巻き上げ効率はその弱点を補ってあまりある。耐衝撃性にも優れるため、携帯精度が非常に良いのも美点である。個人的に選ぶならば、Cal.3861搭載機か。(広田)